BardはSEO記事執筆に使える？Googleの考えや今後のSEOを解説

「BardはSEO記事の執筆に使える？」
「GoogleはAIコンテンツをどう思っている？」
「SEOは今後どうなる？」

このような疑問をお持ちではありませんか？GoogleからリリースされたAIのBardは、文章生成能力に長けています。ブログのアイデア出しや記事の執筆に使えるため、SEOコンテンツの作成にBardの利用を考えている方も少なくないはずです。

しかし、BardをSEOコンテンツに利用する場合、いくつか注意点があります。また、GoogleのAIコンテンツに対する考えを理解せずに記事を執筆すると、検索上位表示を狙うのは難しいでしょう。

そこで本記事では、BardとSEOに関する以下の項目について解説していきます。

BardをSEO記事の作成に使う方法

BardをSEO記事の作成に使う場合、以下4つの使い方が挙げられます。

それぞれくわしく解説していきます。

アイデア出し

Bardは膨大な学習データをもとにトレーニングされているため、豊富な知識を用いたアイデアを生成します。たとえば、キーワード選定をBardに依頼すると、下記画像のような結果になります。今回は、コンビニに関するキーワード選定を行わせました。

コンビニに関するキーワードを9つ紹介してくれました。記事のタイトルや見出しを考えるアイデアとなります。また、気に入ったキーワードがあれば、より深掘りしたアイデアを出力できます。提示された「コンビニエンスストアの未来」について、より具体的なキーワードを質問すると以下の回答が表示されました。

「自動化」「パーソナライズ」など、より深いレベルのキーワードが得られました。キーワードに加えて概要も記載されているため、執筆時の方向性もイメージできます。記事のアイデアを効率的に出したければ、Bardを活用してみましょう。

構成

Bardは記事の構成にも利用できます。下記画像は、Bardが考えた「コンビニエンスストアの未来」の構成です。スムーズに生成したければ、追加で本文が必要ない旨と、階層構造で作成してほしい旨の指示の入力がおすすめです。

主題の「コンビニエンスストアの未来」に関連する5つの中見出しと、小見出しを階層構造で生成しています。見出しとしてはやや無骨な印象ですが、内容は悪くありません。人間の手で修正さえすれば、ブログの構成は簡単に作成できるでしょう。

執筆

下記画像は、先ほどBardが作成した構成の一部をライティングさせた結果です。生成した文章をそのままコピペすると記号が反映されないため、ドキュメントにエクスポートした後にコピペするか、記号のみ手入力しましょう。

中見出し、小見出しに関連する文章を生成できました。文字数を増やしたければ、Bardに追加で出力させるか、ユーザーが文章をリライトしましょう。ただし、不正確な情報が含まれる可能性があるため、人間によるファクトチェックが必須です。

校正

一定のレギュレーションに沿って進める校正作業は、AIの得意分野です。「下記の文章を校正してください。」という指示でもある程度の修正ができます。よりハイレベルな校正を期待する場合は、具体的な指示を入力しましょう。例として、「httpとhttpsの違い」に関する文章を校正させました。

指定したレギュレーション通りに校正ができました。精度も高いため、AIのクリエイティブな作業に懐疑的な方も、まずは機械的な作業である校正のみBardに依頼してみてはいかがでしょうか。

BardをSEO記事の作成に使うメリット

BardをSEO記事の作成に使うメリットとして、以下2つが挙げられます。

それぞれ確認していきましょう。

Googleから情報を収集する

BardはGoogleから情報を収集するため、SEO記事の作成において以下のメリットが得られます。

Bardは最新の情報にも対応しています。新しい知見をもとにしたアイデアの作成などが可能なため、速報記事の作成にも役立ちます。

また、Bardが表示する情報は、Bardの開発元のGoogleが有益だと判断した回答であるはずです。Googleは、ユーザーにとって有益な情報を検索結果に上位表示しています。そのため、Bardの出力内容を記事に盛り込めば、SEO効果が期待できるでしょう。

短時間で大量の文章を作成できる

Bardは文章生成AIであり、大量のテキストを短時間で出力できます。指示を工夫すれば思い通りの内容を生成できるため、人間が執筆した文章とも遜色のないコンテンツが作成できるはずです。また、記事執筆に必要なコストが下がり、コンテンツの大量生産や人件費の削減にも繋がります。

BardをSEO記事の作成に使うデメリット

BardをSEO記事の作成に使うデメリットは以下の2つです。

それぞれくわしく解説していきます。

会話を保存できない

会話内容はBard上で保存できません。前の会話内容に影響された回答を出力する可能性もあるため、会話のテーマを変える場合は、チャットのリセットが必要です。コンテンツ作成の同時進行が困難なため、不便に感じる方もいるでしょう。

しかし、エクスポート機能を利用すれば、Googleドキュメント上で会話内容を管理できます。気に入った出力結果があれば活用してみましょう。以下に、エクスポート機能の手順を示します。

Googleドキュメントに会話内容をエクスポートできました。同じ手順でGmailにもエクスポートできます。

文章の修正に時間がかかる

Bardは以下を出力する可能性があります。

Bardが生成した文章をそのまま掲載すると、ユーザーに誤情報を拡散する危険があります。記事の有益性も下がるため、SEOに悪い影響を与えるだけでなく、掲載メディア全体の信頼も落としかねません。そのため、生成した文章のファクトチェックは必須となります。

また、AIは人間よりも表現の幅が狭いため、不自然な文章や類似表現を連続させる場合があります。ユーザーの満足度を下げるため、リライトが必要です。

以上のように、Bardが作成した文章は完璧ではなく、修正に時間がかかります。特に誤情報の出力は、言語処理能力が今後さらに発達しても、完璧に排除するのは難しいはずです。文章生成AIの欠点も理解して、うまく記事の執筆に活用していきましょう。

BardをSEO記事の作成に使う注意点

BardをSEO記事の作成に使う際は、以下2つの点に注意しましょう。

それぞれ確認していきましょう。

著作権を侵害する可能性がある

Bardが出力する文章は、Googleの情報をもとにしています。もしBardが特定の記事を参考にした内容を生成していれば、著作権を侵害したり、コピーコンテンツと判断されたりする危険があります。特に掲載メディアの独自情報である、実験やアンケート結果に関する情報には注意するべきです。出力された文章に関連する記事を確認し、Bardが生成した情報が他サイトの流用ではないか見極めましょう。

誤情報を公開してしまう可能性がある

Bardは実際とは異なる情報を出力する場合があります。ハルシネーションと呼ばれ、そのまま公開すると、誤情報を拡散してしまいます。掲載メディア全体の信頼にも関わるため、生成した文章は人間の手で確認、リライトを行いましょう。

また、AIは現実にはない論文や出版物を参考にする場合もあるため、文献を提示されても内容の確認は必須です。

AIで作成されたコンテンツに対するGoogleの考え

AIで作成されたコンテンツに対して、Googleは次のような見解を示しています。

自動生成コンテンツに関し、Google は一貫したガイダンスを提示してきました。検索結果のランキング操作を主な目的として、コンテンツ生成に自動化（AI を含む）を利用することは、スパムに関する Google のポリシーに違反します。

（中略）

とはいえ、AI 生成のものを含め、自動化を利用したコンテンツすべてがスパムであるとは限らないことを認識することは重要です。

引用：Google検索セントラル |AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス

AI生成コンテンツ自体に問題はないようです。ただし、検索結果のランキング操作を目的としてAIを利用すると、スパム認定を受けてしまいます。以下は、ランキング操作を目的としたコンテンツの例です。

スパム認定されるコンテンツはさまざまです。しかし、この記事で紹介した「BardをSEO記事の作成に使う注意点」を意識すれば、ポリシーに抵触する可能性は低いと思われます。記事作成の効率化などが目的であれば、積極的に利用していきましょう。

SEOの今後

BardやChatGPTなど高度なAIの誕生により、検索エンジンが使われなくなると推測する人もいます。AIの回答で疑問が解消できれば、検索エンジンを使う必要がなくなると考えているのでしょう。

しかし、GoogleはSGE（Search Generative Experience）を発表しました。（Google | Supercharging Search with generative AI）SGEとは検索結果にAIの回答を表示し、より検索意図に近い内容をユーザーに提示するシステムです。Googleはあくまで検索行為を排除せず、AIと共存する方針です。

SGEについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

SGEとは？Googleの検索結果に生成AIが表示される新機能について解説！

しかし、SGEの導入により検索結果に表示されるWebページの需要は低くなるとも考えられています。SGEにはAIの回答やショート動画などWebサイト以外のコンテンツが多数表示されるためです。

とはいえ、過去に検索意図に最も近い内容を表示する「リッチリザルト」機能が導入された時も、Webコンテンツが廃れるのではと騒がれましたが、結局衰退せず、SEOに影響もありませんでした。

SEO自体はなくなりませんが、SEO対策は代わっていくと推測できます。概要的なコンテンツの生成はAIの得意分野であり、今まで検索上位を占めていた「まとめ記事」の評価は下がるはずです。今後は、独自性のない普遍的な情報で網羅性を高めても、SEO効果は薄いでしょう。

一方、経験談や独自の見解を述べた記事はAIには作れません。検索ユーザーの中には、実際の体験談にニーズを感じている人もいます。今後は「経験」「主観」にフォーカスしたSEO対策が中心となるはずです。

まとめ

本記事ではBardとSEOの関係について、以下の項目を解説しました。

Bardはプランニングやライティングなど、記事執筆におけるさまざまな作業を効率化できます。特に機械的な工程である校正が得意分野で、指定したレギュレーションに合わせた文章の修正が可能です。

しかしAIを闇雲に使っても、ユーザーにとって有益なコンテンツは生み出せません。解説した注意点や、Googleのコンテンツポリシーを参考に、Bardを適切に利用しましょう。