【5分で理解】アトリビューション分析とは？計測方法・分析ツールを紹介します。

「アトリビューション分析って何？」
「どうやって計測するの？」
「アトリビューション分析を行うためのツールが知りたい」

という企業のWeb・マーケティング担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アトリビューション分析とは、Web広告のコンバージョンへの貢献度を図るために行う分析のことです。マーケティング施策を考える上で役立つのはもちろん、予算配分を決める際にも助けとなります。本記事では、

• アトリビューション分析について
• アトリビューションのメリット
• アトリビューションの実践方法

について丁寧に解説。後半部分では「おすすめの分析ツール」「アトリビューション分析を導入して成功した事例」も合わせてご紹介するので、アトリビューション分析について理解したい方はぜひご参考にしてください。

アトリビューション分析とは

アトリビューション分析は、マーケティングにおける効果を測定・分析する方法の1つです。成果に結びついた部分のみならず、顧客がコンバージョンに至るまでに経由したメディア・広告などについても分析します。

そして、得られた結果を元にマーケティング戦略や施策における予算配分に活用して、より効果の高い施策に繋げることが可能です。この分析が向いている商材やサービスには、下記の事例が挙げられます。

上記の商材（サービス）は購入に時間がかかったり、情報を集めてから購入されることが多いので、アトリビューション分析が最適です。アトリビューション分析を行う際は、自社の商品の傾向を把握した上で実施しましょう。

アトリビューション分析をするメリット

アトリビューション分析をすることで、ユーザーが広告を見て商品にどのように知り、興味をもって購入したのか把握できます。それぞれの広告の効果が把握できるため、効果の薄い広告をストップし、より効果のある広告の予算枠を増やすなど、適切な配分ができるのがメリットです。

効果の高い広告のみに集中すれば余計な工程もかかりにくくなるので、時間の節約にも繋がるでしょう。

アトリビューション分析の方法

ここからはアトリビューション分析を実際する際の手順をご紹介します。シミュレーションを用いて、1つ1つの手順を詳しく解説するので、これからアトリビューション分析を行おうと考えている場合は、しっかりと確認しましょう。

STEP1:ビジネスモデルに対する仮説を立てる

まずはいきなり分析を行うのではなく、ビジネスモデルにマッチした仮説を立てましょう。

STEP2:コンバージョン率を計測後、仮説を検証する

ユーザーが訪問したメディアやページでコンバージョン数が伸びているか、接触回数が増加しているかを確認しましょう。
今回のモデルケース対象となるのはTwitter広告なので、コンバージョン率の変化の具合、インプレッション数を確認する必要があります。

STEP3:検証結果に基づいて改善を行う

検証結果が出た後は改善を行うために十分に分析しましょう。今回のモデルケースでいえばTwitter広告でコンバージョン率が伸びていたと仮定します。
プロモーションツイートのコンバージョン率が向上していた場合は、その予算を増やすことで更なる利益が獲得できるでしょう。

STEP4:再度仮説から改善の行動を行う

検証結果からプロモーションツイートの予算を増やした後は、その影響を再度確かめます。インプレッション数やコンバージョン率などに変化がないか十分に確認することが必要です。

結果を元に次の改善の行動を行うと、より効果の高い施策に繋がります。このようにPDCAサイクルを回すような形でアトリビューション分析を行うと、効率が良いでしょう。

アトリビューション分析をする際の注意点

アトリビューション分析はマーケティング戦略の中でも非常に重要な分析方法ですが、注意点も多く存在します。ここからはアトリビューション分析をする際に気を付ける点について詳しく解説します。

必ず仮説検証を行う

アトリビューション分析をした後は、事前に立てていた仮説が正しかったのかどうか確かめましょう。どの広告やキャンペーンで効果が出ていたのか、どのメディアからコンバージョンに結び付いたのかまで詳細に確認し、次に繋げましょう。
常にアトリビューション分析の効果を最大限発揮できるように、PDCAサイクルを意識することが大事です。

広告や集客媒体が複数ある場合は分析が難しい

複数の広告やメディアが存在する場合は、ユーザーに影響を与えた媒体が分かりにくくなってしまうため、分析が難しくなるのです。
しかし、広告やメディアを厳選してから実施することで、その問題は解決できます。本当に効果を知りたい広告やメディアを選択して分析を行いましょう。

アトリビューション分析には5種類のモデルが存在する

アトリビューション分析には5つのモデルが存在します。いずれもそれぞれの特徴があるので、1つ1つの特徴をチェックすることでアトリビューション分析に対する理解を深められます。

1：ラストクリックモデル

ラストクリックモデルは、最終的に成果に繋がったメディアのみがコンバージョンに貢献できたと考えるモデルです。期間の短いキャンペーンやイベントといったビジネスモデルに向いています。

2：起点モデル

ラストクリックモデルとは反対に、最初にユーザーが接触したメディアのみがコンバージョンに貢献したと考えるモデルです。
自社の新しい商材やサービスをユーザーに認知させる広告に向いています。

3：均等配分モデル

均等配分モデルは、コンバージョンに至るまで接したすべてのメディアが売上獲得に貢献したと考えるモデルです。アトリビューション分析で用いられることの多いモデルといえます。
ただし、ある程度データが集まっていないと実施できないことを、あらかじめ把握しておきましょう。

4：減衰モデル

減衰モデルではコンバージョンに近いメディアやキャンペーンが貢献度が高いとしています。一方でコンバージョンに遠かったメディアやキャンペーンは評価が下がるのが特徴的です。慎重にアトリビューション分析を行う際に向いています。

5：接点ベースモデル

接点ベースモデルは、最初に接したメディアと最後に接したメディアが一番貢献度が高いと考えるモデルです。商材やサービスを認知させたメディアとコンバージョンに繋がったメディアを一番重視しています。全ての接点を評価するので、バランスよく分析する際に最適です。

アトリビューション分析に便利なツールとは？

アトリビューション分析を行う場合は、以下のツールを使うことで、スムーズに分析をすることが可能です。

いずれも無料で使える上にGoogleが提供しているツールなので信頼性も抜群。より手軽な形でアトリビューション分析を行いたいという場合はせひご参考にしてください。

Google広告

Google広告では、広告主が出稿した検索連動型広告とショッピング広告の、クリック数の分析ができます。カスタマイズして、自社ならではの環境で分析を実施することも可能です。
分析結果はレポート機能で確認できる上に、ラストクリックと他のモデルを比較することもできます。

Google Analytics

Google Analyticsでもアトリビューション分析はできます。自然検索による流入やURLを入力して訪問したユーザーなど、複数のチャネルでのアトリビューション分析ができるのがメリットです。
Google広告よりも多角的に分析を行いたい際に向いているツールといえるでしょう。

アトリビューション分析を導入して成功した企業の事例

アトリビューション分析を本格的に実践することで、自社のマーケティング戦略に活かすことが可能です。実際にこの分析を導入して、成功した企業の事例としては下記の3社が挙げられます。1つずつ事例を確認していきましょう。

1：リクルート

出典：リクルート

大手の求人サイトであるリクルートは、ビデオ広告でアトリビューション分析を行っています。「アルバイト求人者の登録にどのくらい結びついているのか」を確認するために、リマーケティングリストを活用して測定しました。

ビデオ広告の視聴者と非視聴者を対象に、「アルバイト」を検索した場合のクリック率を中心に分析。視聴者のクリック率が32.5％高いという結果が出ました。まさに、ビデオ広告が視聴者のアクションを促した成功事例といえるでしょう。

2：Z会

出典：Z会

通信教育に関する事業を展開しているZ会では、会員獲得の施策を考える際に、アトリビューション分析を活用しました。ラストクリックのみならず、広告がクリックされなくても表示されたかどうかまで加味して実施したのがポイントです。「貢献コンバージョン」というオリジナルの指標を設定して、広告ごとに比較。

結果によるとバナー広告は、直接CVに繋がっているのではなく、あくまでも貢献する要素であったことが判明しました。

3：HELLOFRESH

出典：HELLOFRESH

グローバルな形で食材宅配サービス展開しているHelloFreshでは、全チャネルでのコンバージョン率を向上させる目的でアトリビューション分析を実施したことがあります。実際にチャネルやデバイスの種類に対応した完全自動入札を実施し、分析を行いました。

そして、最終的にはコンバージョン数が10％増加、コンバージョン単価(CPA)が6％改善という成果を収めます。ラストクリックだけではなく、全チャネルを通した分析が活きた結果といえるでしょう。

アトリビューション分析を実施して、今後の予算設定に役立てましょう！

実際のアトリビューション分析の詳細や、分析方法についても解説しているので、今回の記事を読むだけでアトリビューション分析を実践することが可能です。最後に重要なポイントをまとめると下記の通りになります。

アトリビューション分析を実施することで、自社のマーケティング戦略や施策の効果を測定できる上に、次の施策に活かすことが可能です。広告やメディアの予算調整にも繋がるので、改善を重ねてより良い結果を求めていきましょう。