Bing AIで画像生成が可能に！Image Creatorの使い方や商用利用を解説

「Bing AIで画像生成できるの？」
「Bingで利用できるImage Creatorってなに？」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。Bing AIはMicrosoftが開発した文章生成AIです。リリース当初はテキストの出力しかできませんでした。しかし、同じくMicrosoftの画像生成AI「Image Creator」の搭載により、画像も出力できるようになりました。

Bing AIは無料で使える上、高い精度を誇るため、使いこなせれば有益なツールとなるでしょう。そこで本記事では以下の項目について解説していきます。

この記事では、チャットによるやり取りができる、Bing AIならではの画像生成方法を紹介しています。多くのツールとは異なるユニークな手法なので、ぜひ参考にしてください。

画像生成AI、Image Creatorがリリース

Bing AIに組み込まれたImage Creatorは、2023年3月にMicrosoftからリリースされた画像生成AIです。下記画像は、「A butterfly with rainbow wings landing on a flower（虹色の羽の蝶が花の上にとまっている）」と入力した結果です。

指示通りの内容で、クオリティも高いです。Image Creator は、公式サイトから利用できるほか、ブラウザがBingであれば、下記画像のようにサイドバーから使用できます。

DALL·E 2が組み込まれている

Image Creatorは、OpenAIが開発した「DALL·E 2」が基盤です。DALL·E 2は高性能な画像生成AIで、創造性に優れていると言われています。しかし、DALL·E 2は1ヶ月に作成できる画像枚数に限りがあり、上限を超えると課金が必要です。その点、Image Creatorは無料生成の上限がないため、何度も試せる点が大きなメリットです。

無料で使える

Image Creatorは、Microsoftのアカウントがあれば無料で利用できます。初期のBing AIのようなブラウザ依存もなく、インストールなしで手軽に始められます。

日本語に対応している

2023年7月現在、Image Creatorの対応言語は、公式から次のように発表されています。

どの言語がサポートされていますか?

現時点では、Image Creator は英語のプロンプトのみをサポートしています。今後、他の言語がサポートされます。
引用：Image Creator

しかし、実際にプロンプト（テキスト形式の指示）を入力してみると、すでに日本語にも対応しているとわかります。翻訳ソフトなどを併用しなくて済むため、非常に扱いやすいです。「丘の上に建つ、曲線を使った現代的で美しい家」と、複雑なテキストを入力しても、以下のように意図を汲み取った、クオリティの高いイメージに仕上がりました。

商用利用はできない

Image Creatorで生成した画像は商用利用できません。公式には次のように記載されています。

作成物の使用

お客様は、本契約、Microsoft サービス規約、および弊社のコンテンツ ポリシーを遵守することを条件に、オンライン サービス以外の場所で、個人の合法的な非商業的目的のために作成物を使用できます。
引用：Bing スレッド エクスペリエンスおよび Image Creator に関する規約 | BIng

オンラインサービスや、商用への利用は許可されていないため注意しましょう。また、下記の内容に当てはまる画像の出力も、コンテンツポリシーで禁止されています。

• 搾取と虐待
• 個人の危害
• 暴力的なコンテンツと行為
• 有害なコンテンツ
• イジメと嫌がらせ

引用：Microsoft Bing の Image Creator の使用に関するコンテンツ ポリシー | Microsoft Bing

クレジットがなくなると生成スピードが遅くなる

Image Creatorには「ブースト」と呼ばれる、すばやく画像を生成する機能が搭載されています。しかし生成枚数にはクレジット制の上限があり、画像を出力する度にクレジットが1つずつ減少していく仕様です。ブーストだと数十秒ほどで出力できますが、通常時は最大で5分程度かかるようです。クレジットは初回利用時に100クレジットが付与されるほか、毎日数回分が貰えます（2023年7月現在）。

クレジットは、作成ボタンの左側に表示されています。

Image CreatorはBing AIでも使用可能

Image CreatorはBing AIでも使用できます。出力精度や対応言語など仕様は同じで、出力精度も変わりません。Microsoftのアカウントがあれば無料で使える点も同じです。ただし、同一のMicrosoftアカウントで各ツールを利用する場合、ブースト生成用のクレジットも共通となります。そのため、Bing AIで画像を出力しても、Image Creatorに表示されるクレジットは減少します。

以下は、Bing AIを用いた画像生成です。プロンプトとして、「机の上で寝る猫の画像を生成して」と入力しました。画像だけでなく、睡眠する猫に関するテキストの出力もしており、文章生成AIとしての側面を感じます。Image CreatorとBing AIは、仕様はほとんど変わりませんが、生成方法に違いが見られます。

ちなみにBing AIは出力スタイルを、

の3つから選択できますが、画像生成はどの形態でも使えます。

また、スポーツの日程などの質問に対しても、画像を表示する場合があり、ユーザーはより視認性の高い情報が取得できるようになりました。メジャーリーグの試合結果を尋ねると、次のように回答してくれました。

Image CreatorはBing AIでの使用がおすすめ

Image Creatorは、文章・画像生成機能が組み合わせて使える、Bing AIでの使用がおすすめです。チャットで指示を出すため、下記3つのようなユニークな使い方ができます。

それぞれ解説していきます。

チャットによる生成画像の調整

チャットで追加の指示を出せば、作成した画像を細かく調整できます。ただし仕組みとしては、新たにプロンプトを組み直して画像生成をしているだけなので、オリジナルの画像の要素は多少損なわれてしまいます。

下記画像は「木材のあたたかみがある部屋、たくさんの観葉植物、窓際の大きなベッド、白くて薄いレースのカーテンがなびいている」という指示で画像を出力した後、「ベッドでくつろぐ犬を追加してくれますか？」と追加で指示を入力した際の一連の流れです。

生成画像の比較結果を以下に示します。同じ部屋ではありませんが、追加の指示に従って、「ベッドでくつろぐ犬」を反映しています。

チャットでイメージを修正できるのは、非常にユニークな機能です。プロンプトが上手くまとまらなくても、トライアンドエラーで組み立てていけるため、初心者でも扱いやすいと言えます。

AIによる変更案の提示

Bing AIは出力した画像に対して、以下のように変更案を提示してくれます。

好みの変更案があれば、ボタンをクリックするだけで新たな画像を生成します。「肉の代わりにベジバーガーを作ってみましょう！」を選択すると、以下のように指示に沿った画像を出力しました。

また、大まかな内容の変更案をクリックすると、具体的な指示になるまでチャットを続けます。途中のチャットでも、ボタンによる選択が可能です。最終的な指示が定まると、下記のように新たな画像を生成します。なお、提案されたボタンは選択すると消えてしまうため、編集して提示内容を表示させています。

ただし、チャットが長引いた場合や、選択する質問によっては元の指示が反映されずに、新しいプロンプトで作成されることがあります。以下は、岩の上に座る動物に加えて、ユニコーンを並べようとした結果です。

元々のプロンプトは、「岩の上に座る動物」でした。しかし、チャットの進行により「白とピンクのユニコーン」にすり替わっています。どうやら提示された指示である「岩の上に座る動物以外も描いてください」は、「他の画像も作ってみてください」というニュアンスだったようです。

AIによるプロンプトの作成

イメージ通りの画像が出力できない場合は、プロンプトを考えるように指示してみましょう。

おしゃれな部屋の画像が生成したい旨を伝えると、具体的なプロンプトを提示してくれました。「そのプロンプトで生成して」と指示すれば、そのまま画像も作成できます。

Image Creatorの注意点

Image Creatorには、以下2つの注意点があります。

それぞれ解説していきます。

生成できない場合がある

暴力的なコンテンツなどコンテンツポリシーに抵触する画像は生成できません。「戦争」と入力すると、以下のように警告が表示されました。

Bing AIも同様に、指示に従いません。

ウォーターマークが記載される

作成した画像は、左下にウォーターマークが記載されます。

2023年7月現在、ウォーターマークを削除する方法は、Bingから公表されていません。ウォーターマークがない画像を出力したい場合は、Midjourneyなど他の画像生成AIを使用しましょう。

Bing AIは無料で使えるハイレベルな画像生成AI

本記事では、Bing AIの画像生成に関する、以下の項目を解説しました。

Bing AIは今までテキストによる入出力のみに対応した、文章生成AIでした。しかし、Image Creatorの搭載により、画像も出力できるようになりました。無料で利用できる上、チャット機能を組み合わせたユニークな使い方ができるため、独自性が高いツールです。この記事を参考に、チャット機能を活用した画像生成を試してみましょう。