ChatGPTに入力した情報を学習させない方法 – オプトアウト申請のやり方を解説

高度な文章作成能力と利便性の高さから、業務や生活に浸透しつつあるChatGPT。

アカウントを作成するだけで無料で利用できる手軽さから、日常的に使っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、「オプトアウト申請」について理解しておかないと知らないうちに、機密情報がChatGPTに学習されてしまう可能性があります。

この記事では、ChatGPTにデータを学習させない方法やオプトアウトが必要な理由について解説していきます。ぜひ参考にしてください。

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【2023年4月26日追記】ChatGPTに学習させる会話を選べるChatオフ機能が公式で追加

2023年4月25日、ChatGPTがチャット履歴をオフにする機能を導入しました。

New ways to manage your data in ChatGPT

チャット履歴をオフにした会話はChatGPTの学習モデルとして使用されず、サイドバーにも履歴が表示されません。

従来のオプトアウト申請よりも簡単に設定でき、会話ごとに学習の有無を選択できるようになったため利便性が向上しました。

以下の流れで履歴をオフにできます。

「Settings」をクリック
「Data Controls」を開く
「Chat History & Training」をオフにする

「Setting」を開く

「Data Controls」の「Show」をクリック

「Chat History & Training」をオフにする

左上に「Chat History is off」と表示されれば成功です。

オプトアウトとは

オプトアウトとは、製品やサービスを通じた個人データの第三者への提供を、本人の希望に応じて停止することです。

実はChatGPTに入力された情報は、AIの学習のために利用されることがあります。

万が一社内の機密情報をChatGPTに入力してしまった場合、AIが知識として蓄え、第三者に漏洩してしまうリスクがあるのです。

ユーザーの入力データがAIの学習に使われる可能性がある旨は、運営元のOpenAIの公式サイトにも明記されています。

また、入力データが利用されるのは同社が運営するまた、「DALL-E」という画像生成AIも同様です。

参考：OpenAI

しかし、事前にデータを使わないでほしい旨をOpenAI伝えることで、学習データから除外してもらう事が可能で、そのための申請を「オプトアウト申請」といいます。

ChatGPTでオプトアウトが必要な理由

情報漏えいとプライバシー侵害の防止が、オプトアウト申請が必要な理由です。

OpenAIの規約では、「個人を特定できる情報を削除」という対策がとられていることが確認できますが、万が一があります。

社内の機密情報はもちろん、ユーザー名やパスワード、写真などの個人を特定できるものをChatGPTやDALL-Eのプロンプトに含めると、学習されてしまいAIが第三者に提示する可能性があり、危険です。

API経由でChatGPTを利用している場合はオプトアウト申請は不要

ChatGPTには以下の2つの利用方法があります。

ブラウザでWeb版を使う
API経由で利用する

オプトアウト申請が必要なのはWeb版のみです。

API経由での利用の場合、データは学習に利用されないとOpenAIの公式サイトに明記されています。

OpenAI は、API を介してお客様から送信されたデータを使用して、OpenAI モデルをトレーニングしたり、OpenAI のサービス提供を改善したりすることはありません。私たちのモデルの継続的な改善をサポートするために、このフォームに記入して、あなたのデータを私たちと共有することをオプトインすることができます. あなたのデータを私たちと共有することは、私たちのモデルがより正確になり、特定の問題を解決するのに役立つだけでなく、一般的な機能と安全性を向上させるのにも役立ちます。

参考：OpenAI｜How your data is used to improve model performance

もしも、データを利用してほしい場合は、以下のフォームから申請（オプトイン）できます。

OpenAIのオプトイン申請フォーム

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ChatGPTのオプトアウトは申請フォームから簡単に行える

ChatGPTのオプトアウト申請は以下のフォームから簡単に行なえます。

OpenAIのオプトアウト申請フォーム

オプトアウト申請フォームにかかれている規約を日本語に訳すと、下記のようになるため、参考にしてください。

AIモデルの最も有用で有望な特徴の1つは、時間とともに改善できることです。私たちは、科学的・工学的なブレークスルーや、現実世界の問題やデータに触れることで、ChatGPTやDALL-Eなどの私たちのサービスを支えるモデルを継続的に改良しています。

この継続的な改善の一環として、ChatGPTやDALL-Eを使用する際、私たちは私たちのモデルを改善するためにあなたが提供するデータを使用することがあります。これは、私たちのモデルがより正確で、あなたの特定の問題を解決するのに役立つだけでなく、その一般的な機能と安全性を向上させるのに役立ちます。

私たちは、データのプライバシーとセキュリティがお客様にとって重要であることを理解しています。私たちは、お客様のデータを保護するために、適切な技術的およびプロセス的コントロールを使用することに細心の注意を払っています。私たちは、モデルの性能を向上させるために使用しようとするデータから、個人を特定できる情報を削除しています。また、モデルのパフォーマンスを向上させるために使用するデータは、お客様ごとに少量のサンプリングにとどめています。

私たちは、お客様がモデルのパフォーマンス向上のためにご自身のデータを使用することを望まない場合があることを理解しています。お客様は、このフォームに記入することで、モデルの性能向上のためにお客様のデータが使用されることを拒否することができます。場合によっては、お客様の特定のユースケースによりよく対応するために、当社のモデルの能力が制限されることにご注意ください。

当社のデータポリシーの詳細については、当社のプライバシーポリシーおよび利用規約の文書を参照してください。

*ご記入いただいたメールがお客様のアカウントに関連付けられていること、および組織IDが「org-eXam3pleOr9giD」形式であることをご確認ください。

参考：OpenAI｜オプトアウト申請フォーム

ChatGPTのオプトアウト申請の流れ

オプトアウトの申請は下記の流れで行います。

オプトアウト申請フォームを開く
「メールアドレス」「Organization ID」「Organization name」を入力
送信ボタンをクリック

フォームを開いたら、ChatGPTやDALL-Eのアカウントに使用しているメールアドレスを入力します。この際、オプトアウト申請を行いたいアカウントのメールアドレスを入力しましょう。

次に、「Organization ID」「Organization name」を入力します。それぞれ、OpenAIのOrganization settingsから取得できます

Organizationの発行画面

全て入力できたら送信ボタンを押せば完了です。

すでに送信したデータの削除はアカウントで単位のみ対応

すでに送信してしまったデータの削除は、プロンプト単位ではできないようです。

OpenAIの公式サイトには以下のような記述があります。

Can I permanently delete all my chat history?

You can clear specific chat conversations one at a time from your chat history. After 30 days the cleared conversation will be permanently deletedor de-identified if you haven’t opted out of having your content used to improve our services.

訳：すべてのチャット履歴を永久に削除することはできますか？

チャット履歴から特定のチャットの会話を1回ずつ消去することができます。30日後、クリアされた会話は永久に削除されるか、または、当社のサービス向上のためにお客様のコンテンツが使用されることをお客様がオプトアウトしていない場合は、非特定化されます。

参考：OpenAI｜Data usage for consumer services FAQ

会話が削除されるか、データとして利用されるかはユーザー側で確認できないため、オプトアウト申請を忘れずに行いましょう。