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ChatGPTはなぜ規制された?イタリアなど他国や日本での対応を解説

田邊 竜大

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田邊 竜大

ChatGPTはなぜ規制された?イタリアなど他国や日本での対応を解説

「ChatGPTが規制されているって本当?」
「ChatGPTはなぜ規制されている?」
「今後のAI規制はどうなる?」

このような疑問をお持ちではないですか?ChatGPTはOpenAIが開発した文章生成AIです。自然な会話ができ、活用すればさまざまな業務が効率化できるため、現在大注目されています。しかし、個人情報の流出や未成年への影響など、ChatGPTには懸念点がいくつかあり、イタリアでは規制が始まりました。

一方、日本ではOpenAIのCEO、サムアルトマンと岸田首相が会談し、AIを受け入れる姿勢がとられています。各国の規制の動きは異なるため、今後のChatGPTの扱われ方について気になる人も多いようです。

そこで本記事では

  • 各国のChatGPTに対する規制の動き
  • ChatGPTの規制理由
  • AI開発の今後の規制

について解説していきます。この記事を読めば、ChatGPTを巡る世界の動きや、規制理由が簡単に理解できます。AI規制は今後も活発に議論されると考えられます。本記事を参考にして、今なにが起きているのか学んでいきましょう。

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ChatGPTがイタリアで規制される

2023年3月30日、イタリアでChatGPTが使用できなくなりました。イタリアのデータ保護機関”GPDP”が個人情報保護法に違反しているとして規制に踏み切りました。この規制に関して、イタリア国内では大きな議論が巻き起こっているようで、副首相のマッテオ・サルビーニ氏も「この規制は過剰な対応である。」とインスタグラムで投稿していたようです。(現在インスタアカウントは見れません)

また、イタリアの規制を皮切りに、EUに加盟している諸外国も規制する動きが見られています。本章ではそんなChatGPTの規制に関して、以下3点に焦点を当ててくわしく解説していきます。

ChatGPTの規制について

  • 規制理由
  • 影響
  • ChatGPTの規制は拡大するのか

規制理由

ChatGPTがイタリアで規制された理由として、主に以下の2つが挙げられます。

ChatGPTの規制理由

  • 個人情報の管理ができていない
  • 年齢確認の仕組みが整っていない

ChatGPTは高性能な言語処理能力を得るために、世界中の膨大なデータを収集しており、その内容にはクレジットカードの番号や住所、電話番号なども含まれていると言われています。イタリア当局はこのデータ収集を正当化する法的根拠がないとして、規制の判断を下しました。

実際に2023年3月20日にOpenAIは一部ユーザーのクレジットカード情報を漏洩しており、信頼性を疑問視する声が上がっています。

OpenAIはChatGPTに関して、以下の情報が漏洩したと声明を出しました。

  • チャット履歴のタイトル
  • 一部のChatGPT Plus加入者の支払情報
  • クレジットカードの番号(下4桁)

参考:March 20 ChatGPT outage: Here’s what happened

また、イタリア当局はOpenAIは13歳以上の利用を対象としていますが、利用の際に年齢確認がないことも指摘しています。未成年の発達レベルにそぐわない回答にさらされる危険性を危惧しているようです。

影響

ChatGPTを規制する影響として、考えられるメリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。

メリット

  • 情報の流出を防げる
  • 未成年を有害なコンテンツから守れる

情報の流出を防げるのは大きなメリットです。たとえば企業の機密情報が流出すれば、独自の技術が盗まれて多大な不利益を被る可能性も考えられます。個人情報だけでなく、企業や国家レベルの情報流出の危険性を考慮すれば、規制を行うのも不思議ではありません。

また、未成年を有害なコンテンツから守れるのもメリットです。学校の課題をChatGPTに行わせた事例もあり、学力や課題解決能力の低下が懸念されていました。子供の発育においてChatGPTは不適切だとする意見もあり、未成年を対象にした規制は今後も広まると考えられます。

デメリット

  • 仕事の効率が落ちる
  • 他の生成AIにも規制が広がる

ChatGPTは業務の効率化が期待でき、積極的に導入している国もあります。規制が進めば今まで通りの作業を余儀なくされるため、活用している国に比べ作業効率が下がるのは避けられません。

また、情報保護の観点で利用禁止しているのであれば、同じくOpenAIからリリースされている画像生成AI「DALL·E 2」が規制される可能性もあります。情報収集の方法や、未成年への影響が不透明なAIサービスは他にもあるため、規制の拡大は避けられないはずです。

イタリアでは今のところ、APIを利用しているサービスにはアクセスできるようですが、これらも規制対象となれば現在続々と公開されている新サービスも利用できなくなります。作業効率どころか、技術革新の波に付いていけなくなり、他国との技術格差が広がるリスクも考えられます。

point

現時点ではAPIサービスを使用しなくても、VPNを経由すれば今まで通りChatGPTを利用できます。VPNとは仮想プライベートネットワークのことです。使用すればIPアドレスの位置情報を変えられるため、国外からのアクセスを装いChatGPTにアクセスできます。現在、イタリア内のVPN需要は高まっているようで、Google検索しているユーザーは普段の5倍ほどに増えているようです。

イタリアの「VPN」に関するGoogleトレンド

ChatGPTの規制は拡大するのか

下記の表は、ChatGPTの規制を巡る各国の対応についてまとめた表です。

国・組織 方針 対応
EU 規制 欧州データ保護議会がChatGPTのタスクフォース(緊急性の高い課題を解決するためのチーム)を結成、イタリアとの情報交換
アメリカ 規制 AI規制案の検討に着手
中国 規制 アクセス不可に
ロシア 規制 アカウントの作成が禁止に
インド 受け入れ AI開発の規制は考えていないと政府から声明
日本 受け入れ OpenAIが日本に進出するほど。AI活用は「積極的に考えていきたい」との発言も

世界的には規制がスタンダードな考え方です。情報保護や未成年への影響が考慮され、イタリアに続きEU各国やアメリカなどで規制が広がる可能性が高まっています。

一方、中国やロシアでは、政府の見解と異なる意見を制限する目的で禁止されたと言われています。方針は変わりませんが、規制理由は異なるようです。現在、中国国内ではChatGPTに代わるチャットボット開発が進んでおり、BaiduやAlibabaはすでに独自のチャットボットをリリースしています。

また、日本やインドは他国と異なり、AIを受け入れる方針を示しています。特に日本では国会答弁への利用も示唆されており、国の中枢にまでChatGPTが関与する可能性があります。

ChatGPTは中国でも禁止に

中国はイタリアよりも早くにChatGPTの規制を行いました。「AIの回答が政府の見解と異なる可能性」を危惧したからではないかと各メディアで報じられています。ただし、ChatGPTを規制している他国と異なり、中国では独自のAIチャットを複数リリースしています。

独自のAIチャットを制作すれば、国際競争で遅れを取る心配がありません。情報の流れもコントロールしやすいため、今後も中国ではChatGPTの利用は禁止されると考えられます。

続々と公開される中国版ChatGPT

以下3つのチャットボットは、2023年4月時点で話題になった中国版のChatGPTです。

時期 企業名 サービス名
2023年2月 Yuanyu Intelligence ChatYuan
2023年3月 Baidu アーニー・ボット
2023年4月 Alibaba トンギーチェンウェン

中国のスタートアップ企業Yuanyu Intelligenceは2月にChatYuanというサービスを発表しました。しかし、中国経済を厳しく評価したり、軍事問題に関して政府と異なる見解を示したりと不適切な回答が相次ぎました。結果として、ChatYuanはリリースからわずか3日で閉鎖しています。

ChatYuanの発表以降も、BaiduやAlibabaなど大企業から続々と新サービスがリリースされています。特にAlibabaの「トンギーチェンウェン」はChatGPTの50倍以上のパラメーターを持つとのこと。独自の発展を遂げる中国のAIチャットは、市場にどんな影響を与えるのか注目されています。

日本ではChatGPTを受け入れる方針

世界的にChatGPTに対する規制の考えが広まっていますが、日本は受け入れる姿勢です。西村経済産業大臣は会見で、情報の取り扱いなどの懸念が解消されれば、国会答弁でも使用する考えを示しています。一般人の利用も規制し始めている他国とは異なる対応となりました。

また、サムアルトマン氏はOpenAIの日本での展開を考えているようで、実現すればChatGPTを初めとするAIの日本モデル化が加速するはずです。日本の方針には賛否両論あり、機密情報の漏洩などを心配する声が挙がっています。しかし、それらの問題を解消した上で活用できれば、AIとの共生国家として技術革新を牽引する存在になれるかもしれません。

OpenAIが日本に提案した7つの事案

2023年4月10日にはサムアルトマン氏が日本で岸田首相と面会し、自民党の「デジタル社会推進本部」の会合に出席。AI技術について話し合いました。この会合に出席した塩崎あきひさ衆議院議員はTwitterで、以下7つがサムアルトマン氏から提案されたと述べています。

1  日本関連の学習データのウェイト引き上げ

2  政府の公開データなどの分析提供等

3  LLMを用いた学習方法や留意点等についてのノウハウ共有

4  GPT-4の画像解析などの先行機能の提供

5  機微データの国内保全のため仕組みの検討

6  日本におけるOA社のプレゼンス強化

7  日本の若い研究者や学生などへの研修・教育提供

引用:twitter @AkihisaShiozaki

1、2は国内の情報に関する提案です。日本側から情報を提供し、OpenAI側も学習を強化すれば、より日本の情報に精通したChatGPTが使用できます。画像生成AIのDALL·E 2にも活かせれば、現在対応していない日本語での入力が解禁されるとはずです。

また、4の「画像解析機能の先行提供」も注目すべき提案です。実現されれば画像分析の効率化や、より日常生活に浸透したChatGPTの利用が期待できます。たとえば、冷蔵庫の写真を入力し「残り物から作れる料理のレシピを聞く」などの活用例が考えられます。

他にも情報の取扱いに関する提案がされており、日本展開への現実味は強まっています。

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企業はChatGPTを規制・禁止するのか

韓国の電機メーカー、サムスンでは会議の議事録やプログラムコードが流出する事件が発生しています。現在利用禁止にはなっていないようですが、プロンプトに1024バイトの制限を設け、再発防止に努めています。この事件はまさにChatGPTの問題が体現した一件であり、国内外問わず利用を規制・禁止している企業は少なくありません。

規制・禁止している企業の例

  • Amazon
  • JPMorgan Chase

情報保護の観点から、上記の企業はChatGPTを禁止する方針を示しています。サムスンの情報漏洩の一件から、ますます導入を慎重に考える企業は増加している印象を受けます。ChatGPTを使用する上での社内ルールを策定している企業もあるようで、最終的なガイドラインができるまで禁止する考えは合理的に思えます。

しかし、ChatGPTがもたらす恩恵は図りしれません。業務の効率化や人件費の削減など、さまざまな期待ができます。すばやく取り入れれば、それだけライバル企業に差をつけられます。また、最新技術を積極的に使用する企業と見なされ、一部の求職者からの印象も良くなるでしょう。

続いてChatGPTを積極的に使用している企業の例です。最大の懸念点である情報漏洩のリスクもAPIを利用するなどして、リスクを抑えています。

積極的に使用している企業の例

  • note
  • ベネッセ
  • パナソニック

文書コンテンツなどを公開できる「note」では、ChatGPTを使用した創作支援ツール「note AI アシスタント」を公開すると発表しています。今後もだれもが創作できるサービスを目指し、新しい技術はいち早く取り入れる方針を示しています。ユーザー向けのChatGPTを使用したツールを公開する企業は増えており、他にも英語学習アプリDuolingoなどに組み込まれています。

参考:note株式会社 チャットAIで記事作成を支援

またベネッセやパナソニックでは、chatGPTのAPIを利用した、マイクロソフトが手掛けるAIチャットを社内ツールとして使用し、機密性と生産性の両立を目指しています。特にパナソニックでは、機密情報は入力しないなどのルールを定めて、より情報の保護に気を配っています。

AI開発自体の規制

ChatGPTの規制が話題ですが、AI開発自体を制限する動きも見られています。AIの安全性を研究する組織「Future of Life Institute」は、最新のChatGPTモデル「GPT-4」の性能を上回るAIの開発を半年間停止すべきとする公開書簡を発表しました。OpenAIの共同設立者でもあるイーロン・マスク氏など、世界的なテック企業のメンバーが署名しています。

しかし、イーロン・マスク氏はAI開発に必要なGPUを1万個購入したとBusiness Insiderで報じられており、実際には独自に研究を進めているのではないかとも考えられています。世界中の国が一斉に開発を停止するとも考えづらく、もはや一個人や一団体の声明ではAI開発の規制には歯止めが利かない状況です。

ChatGPTの規制は今後も注目が必要

本記事では

  • 各国のChatGPTに対する規制の動き
  • ChatGPTの規制理由
  • AI開発の今後の規制

について解説しました。

ChatGPTに対する国や企業の姿勢は異なりますが、世界的には規制の流れが広がっています。情報漏洩や、未成年がさらされるリスクを考慮した結果で、特にヨーロッパを中心に議論が加速中です。一方日本やインドなどでは受け入れる姿勢を示しています。リスクは伴いますが、AIとうまく共生できれば技術革新における国家競争で一歩リードできるできるでしょう。

また、ChatGPTだけでなく、AI規制に関する公開書簡も発表されました。しかしすでに各企業、国家間の開発競争は始まっており、実現は困難です。世界的なテック企業同士の開発競争は今後も続くと予想されます。

2022年12月のChatGPTのリリース以降、AI業界は目まぐるしく成長していますが、新しい技術には新しいリスクが付きものです。国が新しいルールや規制網を張るには時間がかかるため、個人がリテラシーを高めて、AIを上手く活用する能力が求められるのではないでしょうか。優良WEBではAIに関連する記事を今後も公開する予定なので、ぜひチェックしてみてください。

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この記事を書いたライター

田邊 竜大

田邊 竜大

運営元のJetB株式会社メンバー。YouTubeやTikTokなど、さまざまなSNS運用をしていた経験を買われて優良WEBに参画。「難しいことをシンプルに」をテーマに記事を執筆。休日はフットサルかゲームをして過ごしている。神奈川県出身。

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この記事を監修した人

藤澤 尚也

藤澤 尚也

優良WEB編集長・JetB株式会社メディア事業部SV。前職の大手IT企業の同僚から誘いを受け、2018年に営業として入社。その後Webディレクターに転身し、3年以上経験を積む。多様な経験からくる幅広いWebリテラシーと持ち前の文章力を買われて優良WEBの編集長に抜擢。ベースとラーメン二郎をこよなく愛する。

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