「メディアレップって何?」
「広告代理店の役割はわかるけど、メディアレップはどんな役割があるの?」
といった疑問を抱いている、Webマーケティング担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?メディアレップとは、媒体社と広告代理店を仲介する中間業者のことです。本記事では、
- メディアレップとは
- メディアレップと広告代理店との違い
- 代表的なメディアレップ事業を展開する会社
などを、図や表を用いて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
メディアレップとは?
メディアレップとは、Webメディアの広告枠を保有し、広告主・広告代理店に対して広告枠を販売する問屋のことです。media representativeを略した言葉。representativeには代理人・代行者という意味があります。
広告枠の販売だけでなく、インターネット広告の制作をはじめ、Webメディアへの入稿や効果測定を担うことも。メディアレップは、広告料の中から差し引く仲介料(マージン)で利益を獲得しています。
メディアレップの役割
メディアレップが存在しなければ、広告代理店は大量に存在するWebメディアの広告枠を把握して、クライアントの利益を最大化できる枠を1から探し出さなくてはなりません。そして媒体社は、広告収入を得るために自力で広告主を探す必要がでてきます。
メディアレップのおかげで、インターネット広告の網羅的な媒体知識がなくても、広告主・広告代理店はパフォーマンスの高い媒体に広告出稿することが可能。媒体を運営している会社にとっても、広告枠の販売代行などをメディアレップが行ってくれるため、媒体運営に専念できるというメリットがあります。
メディアレップと広告代理店の違い

上の画像は、野菜の生産~消費までの流れと、インターネット広告の出稿の流れを図で表したものです。
普通の商売の場合、生産者から卸問屋が野菜を買いつけ、スーパーや小売業者が卸問屋から野菜を仕入れ、スーパーや小売業者が仕入れた野菜を消費者に販売します。これをインターネット広告に置き換えて考えると、
- 生産者→媒体運営企業
- 卸問屋→メディアレップ
- スーパー・小売業者→広告代理店
- 消費者→広告主
に該当。媒体社からメディアレップが広告枠を買いつけ、広告代理店がそれを仕入れて広告主に販売します。簡単にいうと役割が異なるのです。
常に図の通りというわけではなく、メディアレップを通さずに「媒体社→広告代理店→広告主」の流れで出稿することや、「媒体社→メディアレップ→広告主」というように広告代理店を省くこともある、というのを覚えておくと便利です。
メディアレップと広告代理店、どちらを利用すれば良い?
先述の通り、広告主がインターネット広告を出稿する方法としては「直接メディアレップに依頼する場合」「広告代理店を使う場合」の2通りがあります。
「この媒体で広告を出稿したい」など、出す場所が決まっている場合は、直接メディアレップに依頼しましょう。媒体が決まっていない場合には、広告代理店に相談し、一度アドバイスをもらった方が良いかもしれません。
アドネットワークを利用して広告を出稿する、という方法もあるので、気になる方は以下の記事も参考にしてください。
メディアレップのメリット・デメリット
ここでは、インターネット広告の取引に登場する「媒体社・広告代理店」2つの目線でのメリット・デメリットを紹介します。
媒体社から見た場合
メディアレップのメリット
営業人員や営業ノウハウがなくても広告枠の販売ができることです。メディアレップが自社の特徴を把握した上で、広告代理店に広告枠の販売をしてくれます。
広告費用の回収を代行してくれたりと、メディアレップは媒体社の強い味方と言えるでしょう。
メディアレップのデメリット
広告枠の販売をメディアレップに委託するため、広告代理店と話をせずに取引が進んでしまい、関係性が築けないことです。
メディアレップは媒体社の性質を理解した上で営業をかけるため、齟齬が発生することは少ないですが「お得意様」のような関係を築きたい場合には不向きだと言えます。不利な取引があった場合も、融通を効かせることは難しくなるでしょう。
広告代理店から見た場合
メディアレップのメリット
媒体社との信頼関係がなくても取引ができることです。メディアレップが仲介となるため、単独で媒体社に営業をかけるよりも効率的に取引ができます。
広告代理店が新しく広告枠を獲得するには、広告枠を持つ媒体社に営業をかけ、信頼関係を構築しながら契約をするというのが一般的ですが、この方法だと人手と日数がかかってしまいますよね。時間をかけて営業したところで、契約に至らなければ損失となります。
さらに、広告主に提案できる選択肢の幅も広がるでしょう。その結果、依頼人に最適な媒体を提案でき、顧客満足度の向上にも繋がります。
メディアレップのデメリット
「広告代理店」視点のデメリットは、当たり前のことですがメディアレップを通すことでマージンが取られてしまうことです。
その代わりに自力で広告枠を管理する手間が省けるなど、マージンが引かれたとしても、それ相応の恩恵は受けられるでしょう。
メディアレップの仕事内容
誰から依頼を受けたかによって、業務内容が少し変わります。
広告主から直接依頼を受けた場合
- 広告内容のヒアリング
- 広告を出稿するWebメディアの選定
- Webメディアの広告枠が空いているか、掲載可否の確認
- 広告の制作・Webメディアへの入稿
- 広告効果のレポート提出投資対効果(ROI)の振り返り
- 新規広告プランの提案
ポイント
- 広告は自社・外部デザイナーで作成
- 広告主に対しコンサルティングの役割を担っている
広告代理店を通して依頼を受けた場合
- 広告を出稿するWebメディアの選定
- Webメディアの広告枠が空いているか、掲載可否の確認
- 広告枠の提供
- インターネット広告の入稿(広告代理店が制作)
- 投資対効果(ROI)の振り返り
- 新規広告プランの提案
ポイント
- 広告は広告代理店が作成
- 広告主に対しコンサルティングの役割を担う
代表的なメディアレップの企業
サイバー・コミュニケーションズ(CCI)

サイバー・コミュニケーションズは、電通の子会社のメディアレップ会社です。
広告主・広告会社に対して、デジタルクリエイティブの企画提案から制作開発までを、ワンストップで提供しています。媒体社に対しては500社以上とのリレーションを備えているため、幅広いサービスの提案が可能です。
戦略・KPIの設定や分析設計、ツール導入・運用サポートまで総合的にサポートしています。
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)

博報堂DYホールディングスの子会社であり、アイレップと共同持株会社、D.A.コンソーシアムホールディングスの完全子会社。先ほどご紹介したサイバー・コミュニケーションズと同様、日本を代表するメディアレップの企業です。
これまでに蓄積してきたオーディエンスデータを活用して、広告主の意図とユーザーのニーズが合致する広告選びをサポート。プランニングから運用における予算管理、改善施策提案まで、広告効果を最大化させるための総合的なサービスを展開しています。
GMOアドパートナーズ

GMOアドパートナーズは、「メディアアドテク事業・エージェンシー事業」を行っているメディアレップです。メディアアドテク事業では、
- メディアにアドテクノロジーの提供
- メディア・コンテンツ運営
- インターネット広告代理店への販売
を行い、エージェンシー事業では「クライアントへインターネット広告の販売・各種クリエイティブ制作・Webマーケティング支援・コンサルティング」を行っています。
メディアレップの将来性
出典:電通
上の図が示す通り、インターネット広告費は、全体の約3分の1を占めていることがわかりますね。私たちはスマートフォンの普及に伴い、CMよりもインターネット広告を目にする機会が増えています。
IT技術の発達や、SNSの利用拡大によってインターネット広告が主流になってきていることから、今後もメディアレップの需要は高まっていくのではないでしょうか。
メディアレップを活用して、集客力を効率的にあげましょう!
この記事では、メディアレップについて説明してきました。広告代理店においてもインターネット広告を取り扱っていますが、インターネット広告の管理・業務効率化のためにはメディアレップの存在が欠かせません。
メディアレップは、スマートフォンの普及とインターネットに接触する機会の増加により、今後ますます活躍していくでしょう。