
「検索エンジンといえばGoogle!」
「Google以外だとYahooは知ってるけど、その他に検索エンジンってあるの?」
ということを考えている、Web業界に入りたてのそこのあなた!Google・Yahoo以外にも、プライバシーの保護を徹底しているもの・特定の国に特化したものなど、様々な種類の検索エンジンが存在します。本記事では、
- Googleをはじめとした、現在主流となっている検索エンジン
- これからシェアを伸ばしていきそうな次世代型の検索エンジン
合わせて11種類を徹底的に解説。今後の検索エンジンの動向を一緒に考えていきましょう。
目次
現在日本で主流な検索エンジン一覧
まずは日本で主流な検索エンジンを解説します。

出典:StatCounter
2022/5/23現在、日本のシェアは上図のようになっています。Googleが圧倒的な人気を集めており、そのシェア率はなんと75.97%。
その下を、Yahoo、bingがだいぶ離れて追いかけている状況です。4位以下の検索エンジンは1%にも達しておらず、上位3エンジンだけで日本の検索エンジンシェアの99%になります。
合わせてシェア率99%!上位3種類の検索エンジン
まずは、日本の検索エンジンの中心となる、Google・Yahoo・bingから解説します。
①:Google
出典:Google
まずは皆さんおなじみのGoogleです。シェア率は、先ほど日本では73.66%と紹介しましたが、世界で見るともっと高く、85.88%にものぼります。(出典:StatCounter)
トップページはシンプルなデザインで、検索バーの下にはブックマークをしたWebサイトが並ぶシステムです。
右上のハンバーガーメニューを押すと「Gmail・Google Meet・YouTubeなどの自社サービスにアクセスできるアイコンの一覧」が表示されるなど、操作性はシンプルですが、必要な情報にすぐにアクセスできる機能も搭載。
Googleは検索エンジン黎明期において、そのシンプルな操作性がユーザーに好まれたことでシェアを獲得していったとされています。当時の検索エンジンの主流は「ディレクトリ型」である中で、キーワード検索をメインにした、最初の検索エンジンがGoogleです。
Google共同創業者の1人、ラリー・ペイジが発明したキーワード検索の際のアルゴリズム「ページランク」によって、高精度のキーワード検索を実現しました。
Googleはクローラによってインデックスされた情報を整理するため、アルゴリズムを常に変更し、ユーザーにとって有益な情報が提供できるようにアップデートしています。
Googleの社是は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」です。そのようなポリシーのもと、徹底的に情報にアクセスしやすく整理することがGoogle検索エンジンの最大の強みだといえます。
②:Yahoo!
出典:Yahoo!
Googleはシンプルなトップページだったのに対し、シェア率2番目のYahoo!は、様々な情報が可視化できるという印象を抱く人が多いと思います。これはYahoo!が、前述した「ディレクトリ型」検索の流れを汲むためです。トップページだけでニュースやショッピング、天気の情報も確認できます。
Yahoo!知恵袋やYahoo!ニュース、Yahoo!オークションなど自社のオリジナルサービスがあるのも特徴です。特にスマホ版Yahoo!は検索エンジンを超えていて、スマートニュースやグノシーなどのように手軽にニュースなどの情報を見ることが可能。
Yahoo!Japanは現在、キーワード検索のシステムはGoogleのものを使っており、アルゴリズム・基本的なキーワード検索の結果は、Googleと同じになります。Googleを念頭にSEO対策をすればYahoo!でも上位表示されるため、自動的に、国内ユーザーのほとんどが使用している2つの検索エンジンの対策ができるのです。
③:Bing
出典:Bing
3番目のシェア率を誇っているのは、Microsoft社の“エッジ”というブラウザではデフォルトで設定されている「Bing」です。
1つ目は背景の写真を日替わりで設定しています。この記事を書いた日は、立春だったのでそれにちなんで「白梅とメジロ」という写真が使われていました。この写真は右下の「今日は立春」という文字にツールチップが設置されており、そこからこの写真をダウンロードすることもできます。
2つ目の特徴は、検索バー内にあるカメラのアイコンから画像を使って検索することも可能なこと。
そして3つ目の特徴は、Bingはマウスオーバーするだけで、ツールチップのような機能で動画のプレビュー表示がされるということです。検索結果で動画が出てきた場合、他の検索エンジンはクリックしなければその動画は見られません。
音声もクリックせずに聞くことができます。ページを読み込む手間がなくなるので動画検索する際には最適です。
ただし、キーワード検索の精度はGoogleやGoogleと同じシステムを採用するYahoo!と比べ、かなり落ちるとされています。
その他、日本で使われている検索エンジン
では、その他に日本で使用されている検索エンジンを解説していきます。
④:DackDackGo

出典:DuckDuckGo
4番目のシェア率のDuckDuckGoは、プライバシー保護に重点をおいた検索エンジンです。
先ほど紹介した3つの検索エンジンは、検索結果のユーザビリティ向上のために「検索履歴」や「検索している場所」などの個人情報を取得しています。個人情報が漏洩してしまうようで「嫌だな…」と思う人も少なくないでしょう。
しかし、 DuckDuckGoは個人データの保存はもちろん、収集自体も行わないので安心して検索することができますね。
他の検索エンジンで「シークレットモード」というパソコンに検索履歴を保存しないモードはありますが、それはウィンドウを閉じたときにのみ適用されます。閲覧中のWebサイトは追跡が可能であり、接続の暗号化もされないので結局は追跡されている状況なのです。
それに比べ、DuckDuckGoはデフォルトの状態で履歴などの情報を記録しないので、かなりの安全性があります。
⑤:Baidu(百度)
出典:Baidu
Baiduは中国でシェア率2位(2021年1月現在)の検索エンジンです。ちなみに、中国のシェア率1位は、Sogou(捜狗)という検索エンジンで、この2トップで83%以上の中国内シェアを獲得しています。
この2つの検索エンジンは常に1位を入れ替わっているので、日本のGoogleのように2位と差を付けて常にトップがいる状態ではありません。
機能的な面だと、中国用に作られているので、日本語入力で検索してもしっかりとした検索結果は出ません。中国語を理解している人や、中国事情を知りたい人には良い検索エンジンです。
中国は国家がITにかなり関与していますので、Googleなどの外資系検索エンジンは未参入。中国のそのような国家体制のことを一般的に「グレートファイアウォール」といい、外資系検索エンジンが入っていない分、Baiduのような独自の検索エンジンがどんどん発展しています。
⑥:Yandex
出典:Yandex
Yandexは、ロシアの検索エンジンで、ロシア国内ではGoogleと並んでトップシェアを獲得。(2021年1月時点でGoogle49.29%、Yandex47.07%)
機能面では、検索結果に動画の表示が多く、マウスを動画に合わせるとプレビューできます。
ほとんどGoogle時能面は変わりませんが、検索結果のデザインがGoogleよりもシンプルでタイトルが強調されているので、検索結果が見やすいというメリットがありますよ。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンは数あれど、基本的な仕組みは同じものとなります。ここでは、検索エンジンの基本的な仕組みを説明していきますので、参考にしてみてください。
①:クローリングとインデックス
検索エンジンを作る上で重要なのが、クローリングとインデックスというシステムです。クローラというロボットが、世界中のWebサイトをまわり情報を収集してデータベースに記録・保存。
- クローラが情報を収集することをクローリング
- クロールしたページがデータベースに記録・保存されることをインデックス
といい、この2つの仕組みから、検索結果のページは作られます。
②:検索アルゴリズム
検索アルゴリズムは、「検索キーワードに対してどのような順番で表示するか」のルールです。基本的には、検索キーワードと関連性が高いと判断されたWebサイトほど上位に表示されます。
このルールは複数のアルゴリズムが合わさって作られており、そのアルゴリズム自体も日々変化していき、Googleには現在「200項目以上のアルゴリズムがある」そうです。
Googleの検索アルゴリズムについて詳しく知りたい場合は「検索アルゴリズムの仕組み」をご覧ください。
次世代型検索エンジン
現在Googleは、日本だけではなく世界で見ても圧倒的シェア率で独占状態です。しかし、その独占的なシェアのおかげでデータの取扱に関する疑義が(欧州諸国を中心に)発生。米国の議会でもGAFAを中心とした巨大IT企業の分割案などが議論されています。
ユーザーの間でもプライバシーに関する意識の高まりから、Googleの利用を懸念する動きが出てきているようです。
Googleの一強体制が崩れる時代はくるのでしょうか。ここからは、未来のGoogleの対抗馬になり得る次世代型検索エンジンを5つ紹介します。
①:Magi

出典:Magi
中国で作られた検索エンジンで、検索結果上で必要な情報が提示され、その情報がどこからの情報なのかも一目でわかるようなシステムが施されています。上の画像は、菅義偉総理大臣の検索結果なのですが、一目で何者なのかがわかりますね。
情報を出しているWebサイトのURLも表示されているので、簡単に素早く信頼できるデータかどうか確認でき、情報の信頼性に重点を置いた次世代型の検索エンジンと言えるでしょう。現時点では広告の表示がないのもメリットです。
②:Startpage
出典:Startpage
DuckDuckGoと似た検索エンジンですが、DuckDuckGoよりも日本のユーザーに向いている検索エンジンです。DuckDuckGoが「Bing」から検索結果を取り入れているのに対し、Startpageは「Google」からデータを取り入れているので、日本語圏の人に適した結果を表示します。
Googleの検索結果を取り入れながらも、検索しているのはStartpageなので個人の特定がされず、プライバシーの保護をしてくれる有能な検索エンジンです。
③:yippy
出典:yippy
こちらは、検索結果に広告の表示がありません。検索バーの上にある「Images」をクリックしない限りは、検索結果に画像が表示されないので、純粋な検索結果がシンプルで見やすい特徴もあります。
検索結果データの追跡もされないので、プライバシーの観点からも優れていますね。
④:Sogou(捜狗)
出典:Sogou
Baiduを解説した時に少し紹介しましたが、人気が高まりつつある検索エンジンです。中国で1位を獲得しただけではなく、世界でも4位のシェアです。
シェアを伸ばしている理由として、AI事業に力を入れていることが考えられます。「AIニュースキャスター」を開発するなど音声認識や顔認証にも力を入れ、注目を集めています。今後検索エンジンにもAIが取り入れられる可能性もありますので、まさに次世代型検索エンジンと言えるでしょう。
機能的には、画像検索ができることがメリットとして挙げられます。
英語表記は対応しているので、中国の動向を知りたい方で「中国語は読めないけど英語なら読める!」という場合にもおすすめです。
今までBaiduで情報を収集していた方は、ぜひこちらのエンジンも使ってみてください。
⑤:Swisscows
出典:Swisscows
検索結果などのデータは記録しないのはもちろん、性的コンテンツ・ポルノコンテンツが含まれない検索結果を表示するので、お子さんがいる方におすすめの検索エンジンです。現在Googleではそういった検索結果が出てきてしまうので、そんな課題をクリアした次世代型検索エンジンです。
日本語にも対応しているので、検索結果に不都合はおきません。
様々な検索エンジンを試して、最適なものを見つけましょう!
今回は、現在使われている主要な検索エンジンから、今後発展していきそうな次世代型検索エンジンを紹介しました。Googleが独占の時代は今だけで、今後は新たな検索エンジンが独占を始める可能性も十分あり得ます。
Googleはもちろん首位を独占しているだけあって検索結果への様々な企業努力をしていますが、「プライバシーが気になる」や「この国の動向が知りたい」となると他の検索エンジンの方が有益な場合も。そのため、用途によって検索エンジンを使い分けるのも良いかもしれません。
様々な検索エンジンを使って、ベストな検索結果を取得してくださいね。