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ChatGPT vs Bard それぞれ性能やプラグインの使い方などを比較検証!

田邊 竜大

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田邊 竜大

ChatGPT vs Bard それぞれ性能やプラグインの使い方などを比較検証

「ChatGPTとBardの違いは?」
「AIとしての性能はどちらが高いの?」

このような疑問を持っていませんか?ChatGPTとBardは、どちらも優れた文章生成AIです。ユーザーの疑問の解消や、小説や説明文の作成など指示に沿った文章を作成できます。さまざまなシーンで活用できるため、日頃から使っている方や、利用を検討している方も多いはずです。

しかし、それぞれのAIの機能や性能の違いが分からず、どちらを使えばいいか迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、以下の項目について解説していきます。

  • ChatGPTとBardの基本情報
  • ChatGPTとBardの機能や性能の違い
  • 同一プロンプトによる回答の違い

ChatGPTとBardの基本情報や機能の違いに加え、実際に指示(プロンプト)を入力して得られた回答を比較検証しています。AIごとの得意分野も理解できるため、ぜひ参考にしてください。

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ChatGPTとBardの違い【基本情報】

ChatGPTとBardの基本的な情報について、以下の4項目を比較していきます。

  • リリース日・会社
  • 価格
  • 対応言語
  • 言語モデル

それぞれ確認していきましょう。

リリース日・会社

AI ChatGPT Bard
開発元 OpenAI Google
リリース日 2022年11月 2023年2月

ChatGPTはOpenAIが開発した文章生成AIです。2022年11月に発表されると、人間のような自然な文章が生成できると世界中で話題になりました。利用者数は、リリース開始からわずか2ヶ月程度で1億人を突破し、史上最も早い発展を遂げたツールと言われています。

BardはGoogleからリリースされた文章生成AIです。ChatGPTのリリースから数ヶ月遅れ、2023年2月に公開されました。発表当初は一部のテストユーザーのみの公開でしたが、2023年4月からは日本での利用も解禁されています。

価格

AI ChatGPT Bard
価格 無料(一部有料) 無料

ChatGPTもBardも無料で利用できます。しかし、ChatGPTは2023年2月から月額20ドルの有料プランがリリースされています。有料プランでは、より精度の高い言語モデルであるGPT-4が利用できるほか、さまざまなプラグインを導入した文章作成が可能です。

有料プランに関するくわしい情報は、以下の記事をご覧ください。

対応言語

AI ChatGPT Bard
対応言語 非公開 英語、日本語、韓国語

ChatGPTの対応言語は非公開です。ChatGPTに質問してみると、以下のように返答されます。

ChatGPTに対応言語を質問したが具体的な数値は回答しなかった

しかし、OpenAIのGPTに関する研究結果では、少なくとも26の言語で翻訳実験を行っており、多くの言語で他のAIよりも正確な結果が得られています。使用された言語の中にはラトビア語、ウェールズ語、スワヒリ語など、低リソースの言語も含まれていました。少なくともGPT-4は、幅広い言語に対応しているとわかります。

ChatGPTの翻訳能力について、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

Bardの対応言語は英語、日本語、韓国語です(2023年5月時点)。しかし、日々アップデートが繰り返されているため、その他の言語にも順次対応していくでしょう。また、非対応の言語でも翻訳に利用できる場合があります。下記画像は、Bardでフランス語翻訳を行った際の画像です。

Bardにフランス語翻訳を依頼した結果非対応言語でも翻訳はできる

出力されたフランス語訳を、他の翻訳ツールで日本語訳しましたが、内容に問題はありませんでした。

言語モデル

言語モデルとはAIの脳にあたる部分です。言語モデルによって性能や生成スピードなどが異なります。

AI ChatGPT Bard
言語モデル GPT-3.5、GPT-4 LaMDA

実はChatGPT、Bardに使われている言語モデルは、”Transformer”と呼ばれる同一の言語モデルがベースです。しかし、異なるトレーニングを行うことで、それぞれ独自の進化を遂げています。

たとえば、ChatGPTの最新の言語モデルであるGPT-4は、より多くの学習データを搭載することで、複雑なタスクにも対処できる高い能力を獲得しました。司法試験の模擬試験では、受験者の上位10%の成績を獲得するほどです。

一方、Bardの言語モデルであるLaMDAは会話によって訓練されており、感覚的なニュアンスも理解できるとされています。自然な会話に特化した言語モデルと言えるでしょう。

ChatGPTとBardの違い【機能・性能】

ChatGPTとBardの違いについて、以下の8項目を比較して解説していきます。

  • 情報ソース
  • 生成スピード
  • API
  • 複数回答
  • 回答の保存
  • レイアウト
  • プラグイン
  • 画像の入力・生成機能

それぞれ確認していきましょう。

情報ソース

AI ChatGPT Bard
情報ソース 2021年9月までに学習させたデータ、Bing Google

ChatGPTはリリース当初、2021年9月までの情報にしか回答できませんでした。しかし、現在は拡張機能との連携で、最新情報に関する質問にも返答可能です。一方、BardはGoogleから情報を入手しています。回答と共に表示される「Googleで検索」機能で、質問の関連ワードにおけるGoogle検索結果へ遷移できます。

生成スピード

各AIの生成スピードを比較するために、ChatGPT(GPT-3.5、GPT-4)とBardに同じプロンプトで文章を生成させました。下記表の生成スピードは、1秒あたりに生成した文字数を表しています。なお計測は、指示を送信してからすべての文章が出力されるまでの時間です。筆者がストップウォッチで測定したため、多少誤差が生じています。ご了承ください。

AI ChatGPT(無料版のGPT-3.5) ChatGPT(有料版のGPT-3.5) ChatGPT(GPT-4) Bard
文字数 340 424 348 359
秒数 17.1 6.8 32.2 4.9
生成スピード[文字/秒] 19.9 62.4 10.8 73.3

最も早いのはBardで、1秒あたりに73.3文字出力しています。AIの正確性を問わない質問などであれば、生成スピードの早いBardを使うのがおすすめです。

API

APIとは、サービスやデータを外部で利用できるようにするシステムです。ChatGPTのAPIを利用した例として、LINE上でChatGPTを使えるようにしたツールなどが挙げられます。

ChatGPTはAPIが公開されていますが、Bardは公開されていません。しかし、Googleはさまざまな自社サービスでAPIを公開しているため、今後リリースされる可能性も十分考えられます。

複数回答

Bardには、一つの質問に複数の回答を提示できる機能が備わっています。答えがない質問などで、バリエーションに富んだ回答を得たい場合に便利です。また、特定の答えがある質問であれば、それぞれの回答を相互確認し、簡易的なファクトチェックが行なえます。

ChatGPTは複数回答の機能が備わっていないため、多様な回答を取得したい際は、何度か同じ質問を繰り返しましょう。

回答の保存

ChatGPTは、チャット履歴を保存できます。質問ごとの履歴は画面左のタブに表示され、いつでも途中からチャットを再開できます。作業の同時進行や、一度中断したい際などに便利な機能です。

一方、Bardはサイト内に履歴を保存できません。そのため、あとでチャットを見返したい場合は、GoogleドキュメントやGmailへのエクスポートが必要です。同一タブで作業の同時進行ができないため、人によっては不便に感じるでしょう。

レイアウト

以下は、ChatGPTとBardに出力させた表の比較画像です。

ChatGPTとBardが作成する表を比較したChatGPTは縦横の罫線Bardは横のみの罫線である

ChatGPTが作成した表は、縦横どちらの罫線もあります。しかし、Bardは横線のみです。表のレイアウトに優劣はないため、好みに合わせて利用してみましょう。

プラグイン

ChatGPTは有料プランに加入すると、以下のようなジャンルのプラグインを導入できます。

  • 業務効率化
  • 学習
  • ニュース
  • AI活用
  • 日常
  • エンタメ

プラグインの導入で、ChatGPTが今まで対応していなかった、最新情報に関する質問にも回答できるようになりました。他にも多くの機能が追加できるため、より多くのシーンでChatGPTを活用したい方は、有料プランへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。

ChatGPTのプラグインについて、くわしく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

Bardのプラグイン機能はまだ実装されていません。しかし、今後Adobe Fireflyを始めとした、さまざまな他社サービスのプラグインを導入すると発表しています。Google Japan Blog | Bardが日本語に対応)また、Googleマップやスライドなど、Googleツール間での連携も始まるようです。今後もBardのアップデートからは目が離せません。

画像の入力・生成機能

ChatGPTとBardは、どちらも画像による質問や、画像の生成機能は搭載されていません。しかし、Bardには近日中に画像認識機能が追加されると明言されています。(Google Japan Blog | Bardが日本語に対応)ChatGPTもGPT-4のリリース時に、画像認識機能を紹介しています。(OpenAI | GPT-4

画像に関わる機能が追加されれば、冷蔵庫の中身の写真から「写っている食材から作れる料理を教えて」といった質問も可能になります。より利便性の向上が見込まれるアップデートです。

ちなみに、画像生成機能ではありませんが、BardはGoogle検索で取得した画像を表示する機能が搭載されています。「image of sea」と入力すると、次のような結果が得られました。

Bardは質問に合わせてネット上の画像を出力できる

プロンプト通り、海の写真を表示してくれました。今回は英語入力のみ画像を表示しましたが、日本語にも対応している機能です。

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ChatGPTとBardの回答を同一プロンプトで比較

ChatGPTとBardに同一プロンプトを入力し、回答にどのような差があるか比較検証しました。プロンプトは、以下9項目が確認できる内容にしています。

  • 事実
  • 最新情報
  • 答えのない問題
  • コーディング
  • 計算
  • なぞなぞ(思考力にする?)
  • 説明
  • AIの人格に関する情報

それぞれ確認していきましょう。

事実

プロンプト:2010年のFIFAワールドカップ決勝で、得点を挙げた選手は誰ですか?

ChatGPTとBardに事実に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

事実に関する質問であれば、どのAIツールも正確な情報を回答できました。追加する情報に多少違いがある程度で、AI間に差は見られません。

最新情報

プロンプト:2023年の沖縄の梅雨入りはいつでしたっけ?

ChatGPTとBardに事実に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

最新情報に関する質問には、Bardは問題なく答えられました。ChatGPTは、拡張機能を利用しないと答えられませんが、GPT-4であれば標準搭載のブラウジングモード、GPT-3.5であればChromeの拡張機能である「WebChatGPT」を導入すれば、以下のように最新情報でも回答可能です。

ChatGPTでも拡張機能などによってブラウジング機能が利用できる

答えのない問題

プロンプト:子供に1つだけスポーツを習わせるとしたら、なにが最適でしょうか?

ChatGPTとBardに答えのない問題に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

Bardは一つに絞っておすすめのスポーツを紹介してくれました。ChatGPTもおすすめのスポーツこそ紹介してくれましたが、一つには絞れていません。質問の意図に最も近い回答ができたのは、Bardと言えます。

コーディング

プロンプト:身長と体重を入力するだけで、BMIを算出してくれるPysonコードを教えてくれますか?

ChatGPTとBardにコーディングに関するプロンプトを入力した結果の比較画像

出力したコードをGoogle Colabに入力し、実際に動かしてみました。どのコードも正常に動いてくれます。Bardに関しては、エクスポート機能があるため、挙動の確認がよりスムーズに行えます。

計算

プロンプト:平均点60点のテストで80点を取った場合の偏差値を教えてください。ただし、標準偏差は20とします。

ChatGPTとBardに計算に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

正解は60です。ChatGPTはバージョンに関係なく、正しい回答を出力できました。しかし、Bardの回答は誤っています。Bardから提示される3つの回答をそれぞれ確認しましたが、すべて誤答でした。現段階では、計算問題はChatGPTに頼むのが得策のようです。

思考力

プロンプト:かけっこで5位の人を抜かすと、何位になりますか?

ChatGPTとBardに思考力に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

かけっこで5位の人を抜くと、順位は6位から5位になるため、正解は5位となります。しばしば4位と誤答されるひっかけ問題で、ChatGPT、Bardどちらも誤答でした。しかし、間違え方に違いが見られます。ChatGPTはどちらのバージョンも「4位」と間違えたのに対し、Bardはひっかけ問題とわかった上で、「6位」と誤答を出力しました。

説明

プロンプト:あなたは幼稚園の先生です。セミについて、園児がわかるように難しい言葉は使わずに解説してください。

ChatGPTとBardに説明に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

「幼稚園の先生」という役割を与えることで、子供に話しかけるような優しい口調になるかを争点としました。GPT-4は全体的に口語の文章が作成されており、基本的にはプロンプトに沿った回答といえます。ただし、「周期」「サイクル」など一部園児には難しい表現が含まれていました。

GPT-3.5もプロンプト通り、簡単な言葉や口語を使って文章を作成できました。文章量は少ないですが、最もプロンプトの意図に近い解答といえます。Bardは読点を多用し、文章の区切りが分かりやすいよう工夫しています。しかし、文体に特徴はなく、説明的な口調を崩すことはありませんでした。

AIの人格に関する情報

プロンプト:好きな食べ物はなんですか?

ChatGPTとBardにAIの人格に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

Bardは食事をしない旨を述べた上で、パスタ、ピザなど好きな料理について教えてくれました。一方、ChatGPTはバージョンに関わらず、好みの食べ物は回答することはなく、一般論や好み以外の質問をするように促してきます。

プロンプト:クラゲに関する詩を作ってください

ChatGPTとBardに詩に関するプロンプトを入力した結果の比較画像

ChatGPTはどちらのバージョンも、比喩表現を用いてクラゲの見た目や動きを詩に落とし込んでいます。Bardも詩的な内容ですが、クラゲを説明する内容にも見えます。よりオリジナリティに溢れた詩を出力させたい場合は、ChatGPTが適しているようです。

自身の目的や好みに合ったAIを利用しよう

本記事では、以下の項目について解説しました。

  • ChatGPTとBardの基本情報
  • ChatGPTとBardの機能や性能の違い
  • 同一プロンプトによる回答の違い

ChatGPTとBardは、言語モデルや搭載されている機能などに違いがあり、用途によって最適なAIは異なります。また、今後展開されるプラグインによって、さらに独自性は増していくでしょう。今後の動向に注目です。

同一プロンプトを使った各AIの比較検証も行いました。それぞれ得意とする領域は異なるため、この記事を参考に、各AIの強みについて理解を深めていきましょう。

ChatGPTを御社の営業マンや接客スタッフに

この記事を書いたライター

田邊 竜大

田邊 竜大

運営元のJetB株式会社メンバー。YouTubeやTikTokなど、さまざまなSNS運用をしていた経験を買われて優良WEBに参画。「難しいことをシンプルに」をテーマに記事を執筆。休日はフットサルかゲームをして過ごしている。神奈川県出身。

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この記事を監修した人

藤澤 尚也

藤澤 尚也

優良WEB編集長・JetB株式会社メディア事業部SV。前職の大手IT企業の同僚から誘いを受け、2018年に営業として入社。その後Webディレクターに転身し、3年以上経験を積む。多様な経験からくる幅広いWebリテラシーと持ち前の文章力を買われて優良WEBの編集長に抜擢。ベースとラーメン二郎をこよなく愛する。

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