食品ECサイトのデザインの参考例！リピーターを増やすために意識したいポイント5箇条

食品を取り扱っている企業の方の中には、販売ツールの1つとしてECサイト（通販サイト）を制作したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、

「どのようなデザインで通販サイトを制作するべきか」
「食品の魅力をどうやって伝えていいのかわからない」

などと頭を抱えている方も少なくありません。

食品の通販サイトでは、写真や紹介文、デザインなどを上手く工夫して味や魅力を訴求する必要があります。

そこで今回は、食品ECサイトを制作する上で重要な、

• デザイン設計のポイント
• 参考になる食品ECサイト
• 食品ECサイトの出店や運営方法

を紹介します。
これから食品ECサイトの制作を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

食品のECサイトはファンを作るために必要なツール

食品のECサイトは、商品やブランドのファンを作るために欠かせない1つのツールです。実店舗で食品を買うユーザーは、直接目で商品を確かめたり、味や香りを参考にしたりすることによって購入する商品を選択します。一度食べたことのある商品は、Amazonや楽天などの大手ECサイトでも購入できるケースが多いため、公式ECサイトではなく安い店舗へユーザーが流れてしまいがちです。

一方、食品ECサイトに商品を求めて訪れるユーザーは、そのブランドや商品のことをよく知りたいと思ってWebサイトに辿り着きます。

「商品はどのように作られているのか」
「こだわりの素材や食材の産地はあるのか」
「いつでも（季節に関係なく）購入できる商品なのか」

など、さまざまな疑問や知りたい情報を集めるのが目的です。つまり、商品やブランドをしっかりアピールできれば、ファンが定着する効果が期待できます。

ECサイトはただ商品を紹介するだけでなく、売上にコミットすることが大切なので、ファン化を目指してがんばりましょう。

食品ECサイトのデザイン設計でおさえておきたいポイント5つ

食品ECサイトを制作する上で注力すべき5つのポイントを紹介します。

デザインを整えることによって「また購入したい（ECサイトをチェックしたい）」と思えるECサイトを目指しましょう。

食品のターゲット層に合ったデザイン

ECサイトでは、ターゲットとなるユーザー層を想定したデザイン設計が大切です。

たとえば、健康食品や無添加食品など、健康志向の食品を販売するのであれば、体に気を使う40代以降の年齢層に合ったデザインを設計してはいかがでしょうか。大人になると文字の見やすさも重要となるため、ECサイトを作る際は文字のサイズ感も考慮しましょう。

「韓国グルメ」や比較的お手頃価格で購入できる「訳ありグルメ」などは、若年層に人気があります。トレンドを取り入れるなどしながら、ECサイトのデザインを構築しましょう。

また、子育て世帯に向けた食品を販売する場合は、赤ちゃんや妊婦さんの写真を差し込むことによって、ターゲット層に効果的に伝わるデザイン設計を考えてみるといいでしょう。

食品の美味しさや魅力が際立つシンプルなデザイン

食品ECサイトの主役は、商品です。サイトデザインに凝り過ぎることで商品の存在感が薄まってしまうと、ユーザーはECサイトから離脱してしまいます。商品の魅力がきちんと伝わるように、シンプルなデザインで主役を際立たせましょう。

ただし、あまりにも殺風景なデザインではユーザーの購入意欲を掻き立てるのは難しいです。必要な情報をしっかりと掲載し、商品の魅力や購入するメリットなどの内容をわかりやすく記載してください。

アクセントカラーをプラスして、競合サイトとの差別化を図る方法もおすすめです。デザインのベースはシンプルなホワイトカラーを起用し、アクセントカラーにイエローカラーなどの目立つ配色をプラスして華やかさを表現するなどと、商品のコンセプトに合ったデザイン設計をしてみるといいでしょう。

ファーストビューで食品の魅力を伝える

ファーストビューは、ユーザーのがECサイトに訪れた際に一番最初に目にするページです。ファーストビューに魅力を感じるかどうか次第で、ユーザーの滞在時間が決まるとも言われています。そのため、デザイン設計の中でも特に力を入れるべき部分です。

商品ページのファーストビューでは、

• 目当ての商品はあるか
• 魅力的な商品が販売されているか
• 簡単に目当ての商品を探せるか

など、ユーザー目線でデザインを構築することが大切です。ただ単に商品を掲載するのではなく、ブランドのコンセプトが伝わるファーストビューを作り、ユーザーの心を惹き付けましょう。

キャンペーンやイベントが目立つデザイン

ユーザーがECサイトに飽きないためにも、定期的にキャンペーンやイベントを実施することをおすすめします。キャンペーンやイベント情報は、ユーザーの目に留まりやすい場所に配置し、積極的にアピールしていきましょう。

食品の買い物は生活には欠かせないものなので、一度ファンになってもらえれば何度もECサイトを訪れてくれるリピーㇳ顧客になります。お得なキャンペーンやイベントがあれば利用したいという方も多いため、トップページに最新情報を掲載するのも手です。

ECサイトでの食品の買い物はマンネリ化してしまうケースもあるため、新商品や季節限定商品をキャンペーンやイベントで紹介する戦略も検討してみてはいかがでしょうか。

リピート購入や定期購入がしやすいデザインの採用

食品ECサイトのファンは「また同じ商品を購入したい」という目的でEＣサイトに訪れる傾向にあります。ファンがリピート購入しやすいように「注文履歴」や「閲覧履歴」を直観的に操作できるようなデザインを設計しましょう。

定期購入が可能な商品も、専用ページを作るなどしてユーザーが見やすく操作しやすいECサイトを構築するように心掛けてください。購入履歴や閲覧履歴からユーザーに合った商品をピックアップして、おすすめできる機能などもあると、ECサイトからの離脱をより防ぐことができます。

食品ECサイトで参考にしたいデザイン5選

食品ECサイトを作成する際に、参考にしたいデザインを5つ紹介します。

それぞれの魅力や特徴を解説するので、自社のECサイトに取り入れたいデザインを想像しながらチェックしていきましょう。

ハイ食材室

出典：ハイ食材室

ハイ食材室は、厳選された食品を取り扱っている高級志向のECサイトです。近場では購入が難しいような珍しい食品を取り揃えており、多くの食通の方に親しまれています。

ECサイトはホワイトカラーを基調としたシンプルなデザインですが、商品である食品一つ一つがアクセントカラーとなっており、洗練されたおしゃれな印象を与えています。

「お肉類」、「チーズ」、「バター」などのカテゴリからも商品を検索できるため、欲しい食品を簡単に探せるのも魅力です。他ではなかなか手に入らない商品を取り扱うECサイトを立ち上げたい方は、ハイ食材室のデザインを参考にしてはいかがでしょうか。

ロハコ

出典：ロハコ

ロハコは、食品や日用品など生活必需品を販売しており、幅広い世代に人気のあるECサイトです。スーパーで買えるちょっとした食品はもちろん、お取り寄せグルメなど特別な日に購入したい食品も多数品揃えがあります。

ロハコはシンプルかつナチュラルなデザインで、トップページの背景にあるウッド調のデザインがどこか優し気な印象を与えています。アウトレット商品やセール品、まとめ割などのキャンペーンやイベントがわかりやすい位置に配置されているのもデザインの参考になるのではないでしょうか。

ECサイトの使い勝手も良いので、気になる方はぜひロハコをチェックしてみてください。

豊洲市場

出典：豊洲市場

豊洲市場のトップページには、食品を販売する生産者の写真がたくさん掲載されており、市場に直接行っているかような温かさを感じるデザインです。食品ロスを削減するというコンセプトがよく伝わるデザインなので、「生産者を助けたい」というユーザーの思いをダイレクトに反映してくれるECサイトとなっています。

賞味期限切れ間近の商品や、注文キャンセルにより余った食材、買い手がつかず値下がりした食材など、食品をお得に販売している理由が明記されており、ユーザーにとって検索がしやすい構造となっています。

コンセプトを活かしたデザインでECサイトを構築したい方は、豊洲市場を参考にしてみましょう。

イシイのオンラインストア | 石井食品公式ECサイト

出典：イシイのオンラインストア | 石井食品公式通販サイト

イシイのオンラインストアは、無添加調理専門店で健康志向のユーザーに向けた食品ECサイトです。季節の食材を使った料理や色鮮やかなギフトなどの写真が大きく掲載されているため、見た目にも美しく、食欲を掻き立てられます。

デザインそのものはシンプルですが、文字が見やすく、値段もわかりやすく表示されているため、予算に合わせて買い物したいユーザーに親切なデザイン設計となっています。食品のお試しセットも販売しているので、集客戦略の参考にもしてみてください。

オンワード・マルシェ

出典：オンワード・マルシェ

オンワード・マルシェは、さまざまな人気お取り寄せショップの商品を販売している食品ECサイトです。お肉やお魚などの生鮮食品やハンバーグやスープなどの加工品、スイーツまで、幅広い食品を取り扱っているのが特徴です。

商品そのものがアクセントカラーのように彩っていることで、シンプルかつ素敵なデザインになっています。オンワード・マルシェは定期便も行っているので、定期販売を目的とした食品ECサイトを作りたい方は参考にしてみましょう。

人気ランキングも紹介されているので、ユーザーの購買意欲を掻き立てたい方はぜひ参考にしてはいかがでしょうか。

食品ECサイトの出店・運営方法

食品ECサイトは、大きく分けて4つの出店方法があります。どのように運営していくか悩んでいる方は、それぞれのメリットやデメリットを参考に自社に合った出店方法を見つけてみてください。

自社ECサイトを運営する

生産者や食品メーカーが直接商品を販売したい場合は、自社ECサイトを運営する方法があります。メーカーやブランドの魅力やコンセプトを存分に表現できるので、他にはないオリジナルのECサイトを制作できます。自社でしか買えない商品や、独自のサービスを売りにしたECサイトを運営したい方には向いています。

ただし、ショッピングモールのように別のショップからユーザーが流れてくることはないので、集客の難易度は高めです。SEO対策や広告だけでなく、キャンペーンやイベント情報も積極的に発信し、ブランド力をアピールしてコツコツとファンを増やしていきましょう。

モールに出店する

Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどの大手ECモールに出店して食品を販売する方法もあります。それぞれのECモールに商品を出品するだけなので、比較的簡単にECサイトの運営を始められます。大手ECサイトは集客力があるため、モールを訪れた多くのユーザーに自社の商品をアピールできるのはメリットです。

モール出店は、他の企業も商品を出品しているため、価格で比較されてしまう点がデメリットとして挙げられます。素材や質にこだわっている食品でも、モール出店となれば価格競争だけで負けてしまう可能性もあります。また、出店費用や販売手数料を別途支払う必要があるため、自社ECサイトに比べて利益率は低くなるケースが多いので留意しておきましょう。

定期販売専門の食品ECサイトを運営する

生鮮食品や加工品を定期販売したい方は、定期購入専用のECサイトを作る方法があります。冷凍食品や地域に特化した季節の食材、お取り寄せグルメなどを定期販売に向いています。

ユーザーは、食材の消費サイクルに合わせて食品が届くというメリットがあり、食品会社にも一定の期間売り上げを安定させられるというメリットがあるため、定期販売を目的としてECサイトを運営する方法も検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、商品に満足しなければ、定期購入のリピーターは減ってしまいます。きちんとファンを増やすためにも、定期販売する商品を吟味したり、キャンペーンやイベントを活用したりしながら、ユーザーがECサイトに飽きない努力を続けることが大切です。

デザインを駆使した食品ECサイトで商品の魅力をアピールしよう

いかがでしたでしょうか。本記事では

• 食品ECサイトでおさえておきたいデザインのポイント
• 参考にしたいデザイン
• 食品ECサイトの出店や運営方法

の3つを紹介しました。

食品ECサイトの主役はあくまでも商品である食品です。デザインにこだわり過ぎて商品が目立たなくならないように、シンプルに構築してみましょう。アクセントカラーや自社のコンセプトに合ったデザインを配置するなどしながら、競合サイトと差別化することも大切です。

オリジナル性を活かしつつも、紹介した参考サイトの魅力を参考に自社ならではの魅力をユーザーに伝えられるデザインを設計していきましょう。