
「インプレッションってどういう意味?」
広告やSNSの運用を始めた方は、耳にする機会が多いのではないでしょうか。
インプレッションは「広告が表示された回数」を指すマーケティング用語です。TwitterやFacebookなどのSNSで用いられる場面では、「投稿が表示された回数」を指します。
本記事では、
- インプレッションの概要
- 混同されやすい用語との違い
- インプレッションの増やし方
について解説します。実践に役立つコンテンツも用意しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インプレッションとは
インプレッション(impression)とは、広告の効果を測る指標の1つで「広告が表示された回数」のことです。「imp(インプ)」や「imps」と略すことがあります。
また、広告だけに限らず、TwitterやFacebookなどのSNSで用いられることも。SNSでは「投稿が表示された回数」を指します。
インプレッションは、広告効果を把握するための重要な指標の1つです。正しく理解して改善に役立てましょう。
インプレッションとPVの違い
PVとは、ページビュー(Page View)の略で、ページが表示された回数を表す指標です。
ページ内に1つしか広告がない時、インプレッションとPVは一致しますが、複数掲載されている場合、それぞれの数値は異なります。例えば、3つの広告が掲載されたページを2回見た場合「PV数は2、インプレッション数は6」です。
インプレッションもPVも「見られた数」を表しますが、それぞれカウントの対象が異なるということを覚えておきましょう。
インプレッションとリーチの違い
リーチとは、広告または投稿を見たユーザーの数のことです。例えば、2つの広告が掲載されたページを2人のユーザーが2回ずつ見た場合「PV4、インプレッション8、リーチ2」となります。
ただし、ユーザーの計測はUU(ユニークユーザー)数で行うため、もし同一人物が違うデバイスやブラウザで広告を見た場合、別のユーザーとしてカウントされます。
インプレッションとリーチは必ず数値が一致するものと思われがちですが、同一人物が複数回広告を見た場合はそれぞれ異なる数値になることを覚えておきましょう。
インプレッションとエンゲージメントの違い
TwitterやFacebookなどのSNSで用いられる指標にエンゲージメントがあります。
エンゲージメントとは、投稿に対してユーザーが起こしたアクションの総数のことです。各SNSでエンゲージメントに含まれるアクションは異なります。
Twitter:いいね、リツイート、リンク・URLのクリックなど
Facebook:いいね、コメント、シェアなど
インプレッションとエンゲージメントは全く異なる意味を持ちますが、どちらもSNSを運用するうえで重要な指標なので区別がつくよう正しく理解しておきましょう。
インプレッションの評価方法
もし、広告の目的が商品やサイトのブランディングだとすると、多くの人に認知してもらうことが重要です。その場合、インプレッション数が多ければ多いほど良いといえます。
しかし、実際「サイトへの流入」や「コンバージョン」を増やすことを目的として、広告を配信することがほとんどではないでしょうか。
この場合、インプレッションを増やすことだけに注力してしまうと本来目指すべき状態からずれてしまい、かえって効果がマイナスにはたらいてしまう恐れがあります。特に、広告の課金形態が「インプレッション課金」の場合は、無駄な広告費を垂れ流すことになりかねません。
目的を見失ったり逆効果にならないためには、他の指標と見比べながら広告の評価をすることが重要です。
以下では、具体的な評価方法を紹介します。
1:クリック率・コンバージョン率と合わせて見る
クリック率やコンバージョン率が高いということは、広告の費用に対して高い効果が得られていることを意味します。
特に、インプレッション課金型(インプレッションごとに広告を支払う課金形態)の広告の場合、これらの指標が重要です。コンバージョン率が低い=多くの費用を費やしているのにコンバージョンは少ないことになり、費用対効果は低い状態と言えます。
費用対効果の高い広告配信を行うには、クリック率・コンバージョン率をチェックし、対策をしましょう。
各用語のおさらい
- クリック率(CTR):インプレッション数に対してどのくらいの割合でクリックされたか
- コンバージョン率(CVR):インプレッション数に対してどのくらいの割合でコンバージョンを獲得したか
2:ビュースルーコンバージョンを考慮する
ビュースルーコンバージョンとは、広告を見たときはクリックしなかったユーザーが、その後別のルートでコンバージョンに至った回数のことです。
例えば、ある商品の広告を見たユーザーがその時は興味が無く何もアクションを起こさなかったものの、だんだん気になってきて後日商品名を検索し、購入に至るといったケースがビュースルーコンバージョンにあたります。
広告がクリックされたわけではないため、コンバージョンやコンバージョン率だけをみると効果がなかったように感じるかもしれません。
しかし、間接的にコンバージョンにつながっているため、ビュースルーコンバージョンが多い広告はインプレッションの効果が高いといえます。
3:フリークエンシーと合わせて見る
フリークエンシー(frequency)とは、直訳すると「頻度」という意味で、Web広告では同一ユーザーが広告に接触した回数のこと。フリークエンシーが多いと、ユーザーは商品やサイトの存在を認知し興味を持ってもらえる可能性が高まります。
しかし、あまりに高い頻度で表示されるとどうでしょう。「しつこい」「うざい」といったネガティブな印象を持たれてしまうかもしれません。
Google広告などでは、同一ユーザーに対する広告表示回数を設定(フリークエンシーキャップの設定)することができるので必ず確認し、調整するようにしましょう。同じユーザーからのインプレッションばかりが多い、という状況も防ぐことができます。
インプレッションの増やし方
インプレッションを増やすには、下記の施策を行うと効果的です。
- キーワードの入札単価を調整する
- 広告予算を増やす
- 競合が少ない検索ワードに入札する
ここからは、それぞれを詳しく解説します。
1:キーワードの入札単価を調節する
Googleのリスティング広告では、キーワードへの入札価格によって表示順位が決まります。すなわち入札単価を上げることで必然的に上位表示されるようになり、インプレッション数の増加が期待できるということです。
ただし、単価の上げすぎには注意しましょう。得られる効果に対して、クリック単価が高くなってしまうことがあるからです。クリック率の変動を細かくチェックし、適切な入札単価に調整しましょう。
2:広告予算を増やす
広告媒体によっては1日の予算額に制限がかけられている場合があります。上限を超えてしまうとその日は配信が停止し、ユーザーに広告が表示されなくなるという仕組みです。当然、予算を上げると配信できる数は増え、インプレッションも増えることになります。
予算を上げるだけなら誰でもできますが、費用対効果を考えなければなりません。前述した「インプレッションの評価方法」の各指標を見ながら、調整しましょう。
同じ予算を使うのであれば、今までと違う媒体で広告を打つのも1つの手です。Web広告では、一定以上の予算からROI(広告費用対効果)が低くなる傾向があります。めぼしいキーワードで全て出し尽くした媒体の予算上限を引き上げるよりも、新たな媒体で、主要キーワードに予算をかけた方が良い場合もあるのです。
どの方法が最も費用対効果を見込めるか検討のうえ方針を決めましょう。
3:競合が少ない検索ワードに入札する
競合が少ないキーワードに入札することで、入札価格を抑えつつ確実に上位表示させられるようになります。
例えば、検索ワードを「お米」にすると競合が多いことが想像できますよね。そこで「お米 10㎏ 送料無料」というように、キーワードを掛け合わせることで競合は減り、それに伴い入札単価も下がるのです。
また、複合キーワードで検索するユーザーは単ワードで検索するユーザーよりも目的がはっきりしている傾向があり、高いコンバージョン率が期待できるというメリットも。
この例のように複数のキーワードの組み合わせをロングテールキーワードと呼びます。ロングテールキーワードの考え方(ロングテール理論)は、マーケティングの様々な場面で役立つため知っておくと良いでしょう。
まとめ
インプレッションを増やすことは大事な施策です。
しかし、インプレッションに限らずとも何か1つの指標に注力しすぎるのは危険で、効果が出ないどころかネガティブなイメージに繋がってしまうこともあります。
様々な指標をバランスよく改善することで、広告の効果を最大限に引き上げることができるのです。
まずは本記事を参考に、インプレッションと関連する指標についての理解を深めるところから始めてみてはいかがでしょうか。