
「楽天市場へ出店したいけど規約は厳しいのかな?」
楽天市場に出店する際に、規約が気になる方も少なくないでしょう。
実際に、楽天市場における規約はユーザーからの信頼維持につながるもののため、違反した場合の措置は決して軽いものではありません。場合によっては1度の規約違反で重いペナルティが課されることもあるため、こまめにチェックしながら運営していく必要があります。
本記事では、
- 楽天市場の規約の内容
- 規約を違反した場合のペナルティの概要
- 規約における注意点
これから楽天市場へ出店する方、現在ショップを運営していて不安がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
楽天市場の出店規約は厳しい?
メリットが多いECモールですが、楽天市場には厳しい規約があります。禁止商材や禁止行為など、内容によっては1度の注意で重いペナルティとなるため、事業者は細かく規約をチェックしつつ店舗運営を行う必要があるといえるでしょう。
例えば、店舗関係者によるレビュー、商品発送前のクレジットカード決済、架空の注文などは全て規約違反になります。出店規約も項目が多いものの、細かい支払い期日や契約条件、著作権の扱いなども記載されているため、必ず確認しましょう。
楽天市場の規約の内容
ここからは、楽天市場の規約の内容についてふれていきます。それぞれの項目の概要について知ることで、今後の出店や運営の指針にすることが可能です。
楽天市場では出店や禁止商材、禁止行為など細かく規定されているため、事業者として出店する場合は、1つずつ対処していく必要があるといえるでしょう。
ちなみに、楽天市場では規約の要件を満たしつつ、運営を行っていく必要があります。審査を通ったあとも規約を定期的に見直すことで、ペナルティを回避することが可能です。
出店審査
楽天市場の出店審査は以下のように2回あります。
- 出店の申し込みのタイミング
- 準備が終わり、楽天市場に出店するタイミング
どちらも事業者はある程度の準備が必要です。理由としては、書類やこれまでの販売実績、許可証など申込時の情報が細かいこと、商品ページなどのコンテンツ作りにある程度の期間が決まっていることなどが挙げられます。
例えば、書類の場合は、登記謄本・商材の写真・許可証(食品・医薬品販売など)・印鑑証明書・住民票が必要です。
審査時にはプラン内容もある程度決めたうえで、資金の準備も必要です。資金に関しての規約は、返還しない・支払い遅延の際は14.5%の遅延損害金が発生する旨が記載なども記載してあるため、把握しておきましょう。
各プランに対しては、契約期間・更新、変更のタイミングなども決まっているため、トラブルを避ける意味でも最終審査段階になる前にある程度決めておくとよいでしょう。
ちなみに、規約一覧には、出店時に規約に従うこと、ガイドラインに沿って独自のシステム(RMS)を使用することなども記載されています。
楽天市場は個人事業主も出店可能
楽天市場は出店する場合、副業では不可能です。しかし、以下の要件を満たせれば、個人事業主でも出店は可能だといえます。
- それぞれのプラン料の先払いができる(個人・法人で料金変わらない)
- 書類の提出、実績を証明できる(提出書類と実績に乖離がないことを証明する)
- 楽天市場で取り扱える商品である(禁止商品ではない)
申込書類では、営業許可証・住民票・実店舗の写真などを求められます。出店するジャンルは利益を確保するためにも、注意が必要です。
グルメジャンルやギフトジャンルなどであれば、独自性が高く、楽天市場でも売上の確保ができる可能性があります。しかし、既製品のみを取り扱う場合は、厳しい運営になることが想定されるでしょう。
実績に関しては、楽天以外のECサイト(Yahoo!・Amazonなど)で実績を作ることで認められる可能性が高まります。実店舗がない場合だとしても、在庫管理・販売など実業として店舗運営を行っていることを証明できれば問題ありません。
捺印
捺印は実印が必要です。個人事業主の方は市役所で取得できる印鑑証明書と共に準備しましょう。注意事項として、捺印は市役所に登録した印鑑を用意することが規定されています。仮に登録がなかった場合は印鑑を登録したうえで書類を取得する必要がある点は把握しておきましょう。
法人の場合、印鑑証明書は不要とされているものの、楽天市場から求められた場合は提出しなければなりません。例えば、代表印が社名・性のみなどの場合は提出が求められる可能性が高くなります。
禁止商材と事前審査商材
禁止商材と事前審査商材の意味はそれぞれ以下になります。
- 禁止商材はそもそも楽天市場では取り扱うことのできない商材
- 事前審査商材は出品前に審査が必要な商材(許可があれば出品できる)
禁止商材を取り扱っている場合は、審査に通らないため出店できません。しかし、事前審査商材は、楽天市場の判断次第で出店が可能です。
それぞれの具体的な商材をみていきましょう。
【禁止商材】
- 銃砲・刀剣
- 違法行為で入手したチケット
- 盗品、生体、グロテスクな商品
- パスポート
- 劇物、爆発物
【事前審査商材】
- 特定ブランドの商品
- PC・ソフトウェア
- 医薬品・医薬部外品・医療機器・化粧品・健康食品・検査キット
- 中古品(古物商許可証が必要)
- 金券
商材に関してはこのほかにも規定が多数あるため、出店時によく確認しましょう。事前審査商材も審査なしで出品した場合、楽天市場からペナルティを受けることになります。
禁止商材に関しては、法令にふれそうなもの、明らかな法律違反のものが該当します。例えば、医薬品などに関しては申請・承認・許可がなければそもそも取り扱えません。細かい要件を確認しつつ、楽天市場を利用していきましょう。
薬機法
薬機法は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性、両通から広告の内容にいたるまで規定されている法律のことです。実は、薬機法や景品表示法どちらもクリアしていても、楽天内では独自の基準があります。
店舗運営システムであるRMS(Rakuten Merchant Server)で配布されている禁止ワード集を必ず確認しましょう。禁止商材としても、認可がないものなどが規定されているため、健康・人体に影響のあるものは1つずつ内容をチェックする必要があります。
禁止行為
禁止行為には以下の項目が該当します。とくに、表示などに関しては景品表示法などに抵触する内容が多くなっていることを把握しておきましょう。例えば、オマケ施策・二重価格・他社比較・最上級表現などには注意してください。
- 背景同色文字などの間違った検索対策
- ランキング(掲載期間、絞り込み条件)
- 著作権を侵害するもの
- 高評価のレビューを促す
- サイト外への誘導
表示に関する内容だけでなく、レビュー・著作権・個人情報・ガイドライン違反など様々な項目が禁止行為となっています。商品に関する内容だけでなく、事業者として適正な運用が常に求められているため、出店・運用の際には時間がかかったとしてもチェックしていくことが大切です。
楽天におけるペナルティの種類
ここからは、楽天市場における3種類のペナルティについてみていきましょう。ペナルティは禁止事項に該当する行為や商品を行った場合に課せられます。ペナルティは加点制で35点からはランキング掲載制限、媒体表示制限などが発生します。(ペナルティではなく退店もありえる)
ちなみに、ペナルティの前に違反修正依頼が来るため、迅速な対応を行うことで措置が軽度になる可能性があります。(最終的な判断は楽天が行う)
表示制限
表示制限は、広告やランキング、検索順位に対して制限がかかることを意味するものです。以下発覚前にどのような立ち位置であったとしても楽天側から制限がかかるため、売上に大きく影響する事も少なくありません。
違反レベルが最小のものであれば1週間程度で元に戻るものの、新規顧客を獲得しやすい時期であるキャンペーン開催期間中でも実施されるペナルティであるため注意が必要です。
RMSの利用制限
RMSの利用制限は、システムそのものを調整できなくなることを意味します。顧客からは、一時改装中表示となるものの、14日から28日と比較的重いペナルティだといえるでしょう。
RMSを利用できない状態となると、店舗に関する全ての業務が行えません。加えて、RMSが利用できない状態は、楽天市場の中でも重いペナルティが発生した時のみに適用されるものであることは把握しておきましょう。
例えば、RMSの利用制限が該当する行為は以下のものが挙げられます。
- 詐欺・脅迫
- 偽造文書
- 銃刀法違反
禁止行為や商品の中でも法令に違反するものは、ペナルティを受ける可能性が高いといえます。
罰金(違約金)
違約金はペナルティが発生した場合に、楽天市場から課されるものです。最大で300万円を楽天市場に支払う必要があります。
罰金を行うかどうかは楽天市場が決めるものの、ペナルティのレベルによっては最初から発生することも予想されます。最大で300万円が目安ですが、それ以上の損害となった場合には、楽天側からペナルティ以上の金額を課せられるか退店となる可能性も否定できません。
よくある3つの注意点
ここでは、とくにペナルティの対象となりやすい3つの注意点をみていきましょう。規約を理解していたとしても違反してしまうケースも実は少なくありません。加えて、楽天ガイドラインだけではわかりにくい内容もあるため、どのようなパターンが規約違反になるのか把握しておくことが大切です。
顧客対応
顧客対応では、納品書の入れ間違いや電話やFAXの案内などが規約違反に該当するため注意が必要です。電話やFAXは、注文以外の対応では使用可能であるものの、商品の直接の注文はNGとなっている点を把握しておきましょう。
クレジットカード決済を導入している事業者は商品の発送に決済を行う事が規定されています。一度慣れてしまえば、間違うことは少なくなるものの、どのような手順で処理を行うのかを店舗内で明学化しておかなければなりません。
販促
販促の注意点は、比較や最上級の表現を行ってしまった場合、規約違反となることです。
例えば、過去に楽天市場を利用し、総合ランキングなどで1位を取ったとしましょう。この場合も実績として使用するには、掲載期間やランキングの種類を記載する必要があります。ツールなどを使用しないのであれば自社でキャプチャなどを撮っておくなどの対策を行いましょう。
SNSを活用する場合もR-SNSで作成したアカウント以外はリンクを掲載することができません。つまり、楽天市場以外でも既にアカウントを持っている場合、連携することができません。自社サイトやブログのURLを貼ることも規約違反となる点は把握しておきましょう。
楽天サーチ(SEO対策)
楽天には楽天独自のSEO対策があります。関連キーワードを極端に小さい文字にする、背景同色文字にするといった対策を行っている場合、規約違反となる点に注意が必要です。
商品によっては、どうしても時流に沿った単語を入れたくなる可能性もあります。しかし、商品と全く関係ない内容であれば罰則を受けることになる点は把握しておきましょう。
楽天市場の規約を把握して、積極的に運営しましょう
本記事では、
楽天市場の規約
楽天におけるペナルティ
よくある注意点
について解説してきました。楽天市場は市場規模や今までの取り組みから事業者にとっても、新しい集客及び売上を確保できるサイトの1つとなる可能性があります。
しかし、ECサイトの中でも出店する難易度は高く、出店したとしても規約違反などによってペナルティを受ける可能性もあります。法令違反や公序良俗に違反するものだけでなく、表現やリンクなどといった細かい点にも注意が必要です。
商品や店舗としての取り組みに問題がなかったとしても、規約違反をしてしまった場合には退店となる可能性もあります。規約に注意しつつ、出店・運営を行っていきましょう。