Stable Diffusionのおすすめモデル一覧！導入方法や商用利用も解説

「Stable Diffusionのおすすめのモデルが知りたい」
「商用利用の可否はどこを見ればいいの？」

このような悩みや疑問をお持ちではありませんか？Stable Diffusionにはイラストや写実的な描写に特化したモデルを導入できます。

しかし、モデルによって生成できる画像のテイストは異なります。そのため、闇雲に導入しても、好みの画像を生成するのは困難です。本記事では、Stable Diffusionのモデルに関して、以下の項目について解説していきます。

利用目的に合わせて、最適なモデルを利用したい方におすすめの内容です。ぜひ参考にしてください。

Stable Diffusionのモデルとは

モデルとは、Stable DiffusionのAIに学習させるためのデータのことです。活用すれば、ユーザーは好みの画像を生成しやすくなります。たとえば、2Dイラストのモデルを導入すれば、プロンプトにスタイルや雰囲気を入力せずとも、2Dイラストの画像が出力可能です。

また、ユーザーは既存のモデルを組み合わせて、新たなモデルを作成できます。これは”マージ”と呼ばれる技術で、合成比率も自由に設定できます。使いこなせれば、より特定の要素に特化したモデルを作成できるでしょう。

ちなみにMidjourneyやDALL·E 2などブラウザの画像生成AIは、Stable Diffusionのようにモデルを変更することができません。好みの画像を手軽に出力できるようになるモデル機能は、Stable Diffusionならではの強みです。

モデルは配布サイトから入手できます。ダウンロード後は、エクスプローラーから「（Stable Diffusionのファイル）models＞stable-diffusion」のファイルに格納することで、webUI上で利用できるようになります。

Stable Diffusionのモデルダウンロード方法

モデルは下記2つのサイトからダウンロードが可能です。

各サイトのダウンロード方法について確認していきましょう。

Hugging Face

Hugging Faceにアクセスしたら、上部のタブから「Models」、左側のタブから「Text-to-Image」を選択しましょう。Stable Diffusionで利用できるモデルに絞って表示できます。

出典：Hugging Face

モデルを選んだら「Files and versions」をクリックします。拡張子が「ckpt」「safetensors」のファイルをダウンロードしましょう。どちらも表示されている場合は、安全性が高い「safetensors」がおすすめです。

出典：Hugging Face

Civitai

Civitai上でモデルは「Checkpoint」と表記されています。右上のタブからフィルターがかけられるため、「Checkpoint」を選択しておきましょう。

出典：Civitai

ダウンロードしたいモデルのページに遷移して、「Files」から任意のファイルを一つダウンロードしましょう。おすすめは安全性が高い「SafeTensor」と、動作が軽い「Pruned Model」表記のモデルです。

出典：Civitai

Stable Diffusionでおすすめの汎用性が高いモデル

Stable Diffusionでおすすめの、汎用性が高い以下2つのモデルを紹介していきます。

なお、記載している情報は2023年7月時点のものです。内容は変更する可能性があるため注意してください。

Deliberate

出典：Deliberate | Civitai

Deliberateは動物や人、車など、多様な画像を出力できる特徴を持ちます。また、実写やイラストなど、画像のスタイルも自由に指定でき、汎用性が高いです。しかし自由度が高い反面、プロンプトによる細かい指示が必要になります。最初は他のユーザーのプロンプトを参考に、さまざまなオブジェクトを生成してみましょう。

ただし、商用利用などは禁止されているため注意が必要です。

DreamShaper

出典：DreamShaper | Civitai

DreamShaperは人物や背景を、リアル調・イラスト調を問わず生成できるモデルです。ギャラリーにはリアルな宇宙の画像や、ラーメンの画像まで掲載されていたため、生成内容の幅の広さがうかがえます。

Stable Diffusionでおすすめのアニメ・イラスト系のモデル

以下5つの、Stable Diffusionでおすすめのアニメ・イラスト系のモデルを紹介します。

EnvyMix

出典：EnvyMix | Civitai

EnvyMixは、アニメと現実を混ぜたセミリアルな質感を得意とするモデルです。背景も綺麗で、人だかりなどの細かい描写もしっかりと表現できます。

Pastel-Mix

出典：Pastel-Mix | Civitai

Pastel-Mixは、パステル調の画像生成が得意なモデルです。ギャラリーにはファンタジーアートが中心に掲載されています。また、プロンプトの最初に「mksks style」と入力すると、パステル調をより強く反映させられるようです。

Dark Sushi Mix

出典：Dark Sushi Mix | Civitai

Dark Sushi Mixは、光と影の表現が美しいイラスト系のモデルです。影の付き方が自然で、イラストレーターが描いたようなクオリティの高い画像が生成できます。

YesMix

出典：YesMix | Civitai

YesMixはアニメ系の画像生成が得意なモデルです。有名なキャラクターを学習させられるようで、酷似した画像や、CG化したような画像がギャラリーに掲載されています。しかし背景は苦手なようなので、別途作成した方が良さそうです。

Flat-2D Animerge

出典：Flat-2D Animerge | Civitai

Flat-2D Animergeは2Dイラストの作成に特化したモデルです。シンプルで親しみやすいイラストを出力できます。比較的短いプロンプトでクオリティを高められるため、画像生成AIに慣れていない方でも使いやすいでしょう。

Stable Diffusionでおすすめの実写・リアル系のモデル

以下3つの、Stable Diffusionでおすすめの実写・リアル系のモデルを紹介します。

majicMIX realistic

出典：majicMIX realistic | Civitai

majicMIX realisticは実写のアジア人に特化したモデルです。ギャラリーには女性ばかりが掲載されていますが、男性の画像も難なく生成できます。また、背景や服装など細かい部分の質も高いため、非常にリアルな出力が可能です。

CyberRealistic

出典：CyberRealistic | Civitai

CyberRealisticはフォトリアリスティックな人物の生成に特化したモデルです。さまざまな人種・伝統的な衣装の生成が可能で、プロンプトを工夫すれば本物と区別がつかない画像を出力できます。

Beautiful Realistic Asians

出典：Beautiful Realistic Asians | Civitai

Beautiful Realistic Asiansは、アジア人女性に特化したモデルです。出力範囲が広くない分、短いプロンプトでも簡単に、いわゆる”AI美女”が作成できます。そのため、初心者の方でも扱いやすいモデルでしょう。

Stable Diffusionのモデル導入方法

Hugging FaceやCivitaiでダウンロードしたモデルは、エクスプローラー上でStable Diffusionのファイルを選択し、「models」内の「Stable-diffusion」に入れます。

ファイルを入れたら、Stable Diffusion webUIの「checkpoint」から選択できるようになります。

Stable Diffusionのモデルは商用利用できるのか

モデルごとに商用利用の可否は異なりますが、配布サイトそれぞれのダウンロード画面に記載されています。たとえば、Hugging Faceであれば画面上部のカードの「License」から利用規約を確認できます。

出典：Stable Diffusion v1-5 | Hugging Face

Licenseが「creativeml-openrail-m」の場合は、基本的に商用利用が可能です。

The Responsible AI License allows users to take advantage of the model in a wide range of settings (including free use and redistribution) as long as they respect the specific use case restrictions outlined, which correspond to model applications the licensor deems ill-suited for the model or are likely to cause harm

和訳：Responsible AIライセンスは、ライセンサーがモデルに適さない、あるいは危害を及ぼす可能性が高いと判断したモデル用途に対応する、特定の使用例に関する制限を遵守する限り、ユーザーが幅広い設定でモデルを利用することを許可します（自由使用や再配布を含む）。

引用：Hugging Face

Stable Diffusionで作成した画像を商用利用したい場合は、「creativeml-openrail-m」表記のモデルを使用しましょう。

Civitaiは、画面右下にライセンスと「This model permits users to（このモデルでできること）」が記載されています。「This model permits users to」は、表示されているマークをクリックすると出現します。

出典：Realistic Vision V3.0 | Civitai

Civitaiは、モデルでできることがHugging Faceに比べてわかりやすく記述されています。内容とその和訳は以下のとおりです。

This model permits users to:
Use the model without crediting the creator
クリエイターのクレジットを入れずにモデルを使用する

Sell images they generate
生成した画像を販売する

Run on services that generate images for money
お金を払って画像を生成するサービスを利用する

Share merges using this model
このモデルを使ったマージ画像を共有する

Sell this model or merges using this model
このモデルまたはこのモデルを使ったマージファイルを販売する

Have different permissions when sharing merges
マージ画像を共有する際に、異なる権限を持つ

引用：Civitai

生成した画像を商用利用したい場合は、「Sell images they generate」にチェックが入っていることを確認しましょう。

ただし、記載されている制限は通知なく変更される可能性があります。そのため、生成した画像を公開する場合は定期的なチェックが欠かせません。

商用利用が可能でも著作権には注意

商用利用が可能なモデルでも、著作権を侵害する可能性があるため注意が必要です。

モデルの中には、学習データに著作物が使用されているものもあり、既存のキャラクターに酷似した画像の生成も容易です。気づかずにそのまま商用利用すると、意図せず著作権侵害の訴えを受ける可能性があります。

「商用利用可能」は、著作物を自由に扱える権利ではありません。細心の注意を払い、学習データが不透明なモデルはインストールを避けるなど、節度を持って商用利用を行いましょう。

モデルを活用して好みの画像を生成しよう

本記事ではStable Diffusionのモデルに関して、以下の項目について解説しました。

Stable Diffusionは簡単な操作でモデルを導入できます。個人利用の範囲であれば規約を気にせずに使える場合がほとんどです。CivitaiやHugging Faceを活用して好みのものを探してみましょう。

また、初心者の方におすすめなモデルも紹介したので、ぜひ利用してみてください。