起業に役立つ20のサイトを紹介│カテゴリ別で必要なサイトがすぐに見つかる

「起業に役立つ情報を収集できるWebサイトはある？」
「起業したいけど何をすれば良いのかよくわからない」

上記のような疑問や悩みをお持ちではありませんか？起業を成功させるには、情報収集が欠かせません。日本政策金融金庫の調査によると、起業したいと考えている人のうち「ビジネスのアイデアが思いつかない」として起業を始められない人は31%にも昇ります。

アイデアは、自身の経験や知識から生み出されるものです。そのためアイデアを膨らませるためには、日頃からアンテナを張り、起業につながるヒントや経営に関する情報を集めることが大切です。また、助成金や補助金など起業支援に関する制度は日々更新されているため、精度と鮮度の高い情報を得る必要があります。

そこでこの記事では、起業に役立つ21のWebサイトを6つのカテゴリに分けて紹介します。目的に合わせて最適なWebサイトが見つかるようになっていますので、起業のための情報収集に活用してみてください。

参考：日本政策金融金庫 総合研究所│2023年起業と起業意識に関する調査

起業の手順

起業準備や開業までの流れを理解すれば、必要な情報が明確になり、起業を円滑に進めやすくなります。ここでは、起業の手順を以下5つのステップに沿って解説します。

起業の目的を明確にする

まずは起業の目的を明確にしましょう。「今の会社を辞めたいから」「社長になりたいから」などの曖昧な理由では、モチベーションを持続できず失敗につながりやすくなります。

起業を成功させるには「何のために起業するのか」という目的を考え、ビジネスの軸を定めることが大切です。事業を通して成し遂げたいことや自分がどうなりたいのかを突き詰め、確固たる軸を持ちましょう。

事業内容を決める

次に目的を達成するための事業内容を検討します。自身の経験やスキル、社会的な需要などを整理し、事業のアイデアを考えましょう。良いアイデアが思い浮かばないときは、起業家のインタビューを読む、起業家向けのセミナーやイベントに参加するなどして情報を仕入れるのもおすすめです。

事業内容が固まったら、顧客層や商品・サービスの提供方法、収益源など具体的なビジネスモデルを決めて事業計画書にまとめます。事業計画書を作成すれば、考案したビジネスモデルを客観的に確認でき、事業の進捗管理にも活用可能です。金融機関から創業融資を受ける際にも必要となるため、作成することを推奨します。

起業する形態を決める

次にどのような起業形態にするのかを決めます。起業形態には、大きく分けて個人事業主と法人の2つがあります。

個人事業主として起業する場合、手続きは税務署に開業届を提出するだけで費用もかかりません。そのため小さくスタートしたい方におすすめです。ただし法人に比べると社会的信用が低いのがデメリットです。また一定以上の所得額になると法人化した方が税制面で優遇を受けられるため、事業規模に合わせて検討する必要があります。

一方法人として起業する場合、個人事業主よりも社会的信用が高いとされているため、新規取引先の獲得や資金調達がしやすいというメリットがあります。

デメリットは設立手続きが煩雑である点、初期費用がかかる点です。実印や定款の作成、登記申請などが必要で、自身で行う場合は設立までに最短でも2〜3週間程度の時間がかかります。設立後も税務署や自治体、年金事務所などで税金や社会保険に関する手続きをしなくてはいけません。事業に専念したいなら、専門家へ依頼することを検討しましょう。

資金調達を行う

次に事業計画書をもとに必要な資金を算定し、資金調達の手段を検討します。起業時の資金調達方法には、自己資金、融資、補助金・助成金、投資家からの出資、クラウドファンディングなどがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。複数の手段を組み合わせることもできるため、それぞれの特徴をしっかりと理解して検討してください。

開業・設立手続きを行う

個人事業主か法人かによって起業手続きは異なります。

個人事業主の開業手続き

個人事業主の場合は、管轄の税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するだけで手続きが完了します。なお、青色申告を適用するなら「青色申告承認申請書」、従業員を雇うなら「給与支払事務所等の開設届出書」も同時に提出しておくと良いでしょう。

法人の設立手続き

法人の設立手続きは下記の通りです。営利法人には、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4つがありますが、ここでは株式会社の手続き方法について解説します。

個人事業主と比較すると手続きが煩雑で、公証役場での認証や法務局での登記申請には費用もかかります。事前に必要な書類を用意して計画的に進めましょう。

なおデジタル庁が運営する「法人設立ワンストップサービス」を活用すると、法人設立に関する全ての手続きをオンラインで進められます。定款の認証や登記申請、設立後に必要な税務署や年金事務所での手続きも一貫して行えるため、手間なくスムーズに会社設立が可能です。

参考：デジタル庁│法人設立ワンストップサービス

起業時にホームページは必要？

ホームページの作成は必須ではありません。「食べログ」や「ホットペッパービューティー」など情報ポータルサイトが充実している業界の場合は、必ずしも作成する必要はないでしょう。その一方で、業界によってはホームページがないと不信感や不安など悪い印象を与える可能性があることも事実です。

ホームページがあれば、企業の運営実態を第三者へ伝えられるため、信頼性を高められます。適切に運用すれば、認知度や売上の向上も期待できるでしょう。また以下のようなシーンでは有利になることが多いため、可能であれば作成することを推奨します。

• 法人口座の開設手続き
• 主にBtoBで取引をする際の与信調査

「WordPress」や「ペライチ」などのツールを活用すれば、コストを抑えて自社で作成することもできます。事業に専念したいなら、外注するのも1つの方法です。依頼内容や依頼先の規模によって費用は変わりますが、フリーランスに依頼する、格安プランを選択するなどすれば10万円程度から依頼が可能です。

起業支援のポータルサイト・総合メディア

ここでは、起業支援のポータルサイト・総合メディアを5つ紹介します。

創業手帳

出典：創業手帳

創業手帳は「企業の母子手帳」をコンセプトとしたメディアです。起業準備中や起業直後の方に向けて、実践的な情報や先輩経営者の経験談などを発信しています。豊富な情報量ですが、カテゴリ別にわかりやすく整理されているため、読みたい記事に手早くアクセス可能です。

また会員登録をすれば「事業計画シート」や「資金シミュレーター」などの起業準備に役立つツールをすべて無料で利用できます。税理士や社労士などの専門家の紹介や創業コンサルティング、セミナーなども実施しており、起業時の不安や悩みを解消してくれるコンテンツが充実しています。

起業LOG

出典：起業LOG

起業LOGは、起業家をはじめビジネスに関わる全ての人に向けて、専門家への取材や独自調査をもとにした情報を発信しているWebサイトです。複雑な内容も図表や具体例などを用いてわかりやすく解説されているため、文章を読むのが苦手な方でも抵抗感なく読み進められます。

経営者へのインタビューやトークセッションなどのコンテンツも充実しており、事業のアイデアや経営のヒントを得るのに役立てられます。また姉妹サイトの起業LOG SaaSでは、SaaSサービスの比較記事も閲覧可能です。起業時に導入するツールは長期的に使用することが見込まれるため、慎重に選ぶ必要があります。数あるツールから何を選べば良いかわからないときの参考になるでしょう。

起業の窓口マガジン

出典：起業の窓口マガジン

「起業の窓口マガジン」は、起業に必要な基礎知識から事業拡大に関するノウハウまで幅広い情報を伝えているWebサイトです。起業家へのインタビューはもちろん、AIツールを活用した起業術など最新情報も発信しています。

起業の窓口の会員登録をすれば、オリジナル特典として起業家のための会社設立完全ガイドや起業相談の利用も可能です。

ドリームゲート

出典：ドリームゲート

ドリームゲートは、経済産業省の後援を受けて発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。注目したいのは、無料の会員登録をすれば利用できる専門家への相談サービスです。

起業・経営に関する専門家が465名在籍しており、分野や対応エリアなどから絞り込んで、自身にあったアドバイザーを見つけられます。メール相談なら24時間いつでも何度でも無料で利用可能です。Web検索では解決できない疑問や悩みの解消に役立てられます。

また会員から投稿された質問に専門家が回答する「起業Q&A」というコンテンツもあり、自身が抱える悩みと似ている投稿があれば参考にできるでしょう。

起業・開業お役立ち情報

出典：起業・開業お役立ち情報

会計ソフトで知られる「弥生」が運営する起業家向けの情報サイトです。起業のための基礎知識や必要な手続き、資金調達に関する記事を公開しています。「起業」に焦点を当てて必要な情報だけを厳選し、カテゴリ別に整理して掲載しているため、知りたい情報にアクセスしやすいのが特徴です。

図解やフローチャートで経理業務を解説している事業のお悩み解決のページもおすすめです。経理の仕事を日常業務や月次業務、年次業務に分類し、それぞれ何をすべきかを初心者向けにわかりやすく紹介しています。また無料の会員登録をすると「はじめての会計業務」「はじめての会社経営」などの有益な資料をダウンロードできます。

経理・会計に役立つサイト

ここでは、経理・会計に役立つサイトを4つ紹介します。

スモビバ！

出典：スモビバ！

個人事業主や中小企業、起業家が抱える業務や経営に関する疑問・課題を解決することをテーマにしたWebサイトです。経理や会計に関するわかりやすい記事が充実しています。

スモビバ！では、お役立ちツールを気軽に利用できるのも大きな特徴です。「勘定科目・仕訳大全集」は、仕訳や勘定科目がわからないときに辞書のように活用できるため、ブックマークを推奨します。また「かんたん税金計算シミュレーション」では、会社設立による節税効果を手軽に算出できます。個人事業主と法人で起業形態を迷っているときに試してみると良いでしょう。

経理プラス

出典：経理プラス

業務効率化や経理に関する情報を中心に発信している情報サイトです。

無料の会員登録をすれば「インボイス制度の概要」「改正電子帳簿保存法の概要」などの勉強会動画もダウンロードできます。文章だけでは理解が難しい複雑な制度や法律も動画でわかりやすく学ぶことが可能です。事業計画書や請求書などのビジネス書式もダウンロードできます。

経営ハッカー

出典：経営ハッカー

クラウド会計ソフトで知られるfreee株式会社が運営するオウンドメディアです。個人事業主や中小企業の経営者に向けて、会計・経営に関する情報やビジネスに役立つノウハウなどを発信しています。

トップページ左上の「カテゴリ切替」で、個人と法人それぞれに最適な表示に切り替えができるため、必要な情報を効率よく探せます。経営者へのインタビュー・コラム記事も充実しており、新規事業のアイデアを得るのにも有効です。

バックオフィスの基礎知識

出典：バックオフィスの基礎知識

会計ソフトで知られる株式会社マネーフォワードが運営するWebサイトです。その名の通り、会計や契約、業務効率化などバックオフィスに関する基礎知識やノウハウを学べる記事が揃っています。

会員登録をすれば、業務に役立つテンプレートを無料でダウンロードできます。

Webマーケティングに役立つサイト

ここでは、Webマーケティングに役立つWebサイトを4つ紹介します。

バズ部

出典：バズ部

SEOやコンテンツマーケティングを中心としたデジタルマーケティング全般の最新ニュースとノウハウを提供する情報サイトです。

Webマーケティングに関する情報がわかりやすくまとめられており、基礎知識を体系的に学ぶことができます。また会員登録をすれば、マーケティング手法やコンテンツ作成のコツなどの有益資料を無料でダウンロードできます。

ferret

出典：ferret

会員数50万人を誇るオウンドメディアで、Webマーケティングに関する最新情報を発信しています。

無料の会員登録をすると、マーケティング基礎講座の受講や100件以上の資料ダウンロード、最新情報のメルマガ受信などの特典を受けられます。またマイページ機能を活用して、お気に入りの記事を保存することも可能です。

Marke Zine

出典：Marke Zine

Marke Zineは月間170万PVを誇るマーケティング専門メディアで、マーケティングの最新動向を発信しています。アクセスランキングが表示されているため、今注目を集めているニュースを手早く確認可能です。

音声プラットフォームのVoicyによる情報配信にも力を入れており、忙しい人でも隙間時間を利用してマーケティング情報を入手できます。さらに無料の会員登録をすると、限定メルマガの受信や過去記事の閲覧も可能です。

Web担当者Forum

出典：Web担当者Forum

Web担当者Forumでは、企業のWeb・マーケティング担当者向けに、Webサイトの企画・構築・運営・技術・マーケティングに関する実践的な情報を発信しています。

マンガで学べるコンテンツもあり、複雑な内容を楽しく気軽に学習できるのも特徴の1つです。公式Xアカウントをフォローすると、記事の更新情報をチェックできます。

補助金・助成金に関するサイト

ここでは、補助金・助成金に関するWebサイトを4つ紹介します。

ミラサポplus

出典：ミラサポplus

中小企業が利用できる補助金・助成金など、国からの支援内容をわかりやすく紹介しているWebサイトです。経済産業省と中小企業庁が共同で運用しているため、正確な情報をいち早く得られます。

無料の会員登録をすると、表示情報がパーソナライズされる、記事をお気に入り登録できる、更新情報をメールで受け取れるなどのメリットがあります。

補助金ポータル

出典：補助金ポータル

補助金ポータルは、わかりくい補助金や助成金の情報を記事にまとめ、事業者へ向けて発信しているWebサイトです。

都道府県や市区町村、利用目的などから支援制度を絞り込んで検索できるため、地域独自の補助金も見つけやすいのが特徴です。

スマート補助金

出典：スマート補助金

スマート補助金は、日本最大級の補助金・助成金のポータルサイトです。 2分で最適な補助金や助成金がわかる診断機能や申請サポート、申請後のアフターサポートまで幅広く提供しています。

検索画面では、対象・エリア・業種・使い道・フリーワードで絞り込み検索が可能です。「受付中のみ」で探すこともできるため、数ある支援策の中から最適な補助金・助成金を効率よく見つけ出せます。

各自治体の起業応援サイト

出典：福岡市の起業創業応援サイト

各自治体で起業支援のポータルサイトが運営されている場合もあります。たとえば福岡市では「福岡市の起業創業応援サイト」があり、起業家同士で交流ができる場や各種支援策を紹介しています。

自治体によって内容は異なるため、まずは「〇〇市（自治体名）＋起業支援」などのキーワードでWeb検索してみると良いでしょう。

経営に関する情報サイト

ここでは、経営に関する情報を入手できるWebサイトを2つご紹介します。

タチアゲ

出典：タチアゲ

タチアゲは、起業準備中や起業直後の方がオンライン上で専門家へ気軽に質問できるQ&Aサイトです。過去に他のユーザーが投稿した質問も閲覧できます。

どの専門家に相談すれば良いのかわからない、気軽に相談できる場が欲しいと考えている方におすすめのサービスです。

経営者通信

出典：経営者通信

経営者通信は、著名な経営者へのインタビューを豊富に掲載しているWebサイトです。先輩経営者の経験談や考え方を知ることで、新規事業のアイデアや経営のヒントを得られます。

メールマガジンに登録すれば、注目企業やビジネスニュースなどの有益情報を受信できます。

起業時のホームページ作成に役立つサイト

ここでは、起業時のホームページ作成に役立つWebサイトをご紹介します。

優良WEB

出典：優良WEB

優良WEBは、日本最大級のホームページ制作会社検索サイトです。地域・業種・特徴・予算などから絞り込み、最適な制作会社を検索できます。

簡単な質問に答えるだけで検討中の制作会社が優良かどうかを判断できるツール、予算のシミュレーションができるツールなど、お役立ちツールも利用可能です。

コンサルタントによる無料相談も実施しているため、制作会社の選び方や相場がわからないなどホームページ制作に関する悩みを気軽に相談できます。

有益サイトで効率良く情報収集をして、起業に役立てよう！

起業を検討しているなら、まずは起業の手順を理解し、やるべきことや必要な情報を明確にしましょう。「何のために情報収集をするのか」を明らかにしておくと、効率良く情報をインプットできます。

また、ビジネスを取り巻く環境や支援制度は日々変化しているため、数年前の情報では役に立たないこともあります。情報収集をする際には、正確さや新鮮さにもこだわりましょう。この記事を参考に有益な情報発信をしているWebサイトを活用し、起業に役立ててみてください。