
「サジェストって何?」
「サジェストが汚染された…!どうしたら良いの?」
「サジェストキーワードを取得するのに、おすすめなツールってある?」
Web・マーケティング担当になったばかりの方で、上記のような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
検索エンジンの検索窓に文字を入力すると、キーワードの候補が表示されますよね。それがサジェストです。サジェストに自社名やサービス名が表示されれば宣伝効果もありますが、マイナスなキーワードとセットで提案されてしまうと、現実世界でも企業自体に悪影響を及ぼすこともあります。もしも自社がサジェストが汚染の被害にあった場合は、検索エンジン側に、削除依頼を申請してみましょう。
本記事では、
- サジェストとは
- 関連キーワードとの違い
- サジェスト汚染された場合の対処法
などを、写真を用いてわかりやすく紹介。文章後半では、おすすめの「サジェストキーワードの取得ツール」も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
サジェストとは
サジェストとは、検索エンジンで調べたいキーワードを入力すると、続きになる可能性が高い言葉が検索窓の下に表示される仕組みのこと。検索時においての提案(サジェスチョン)ということです。提案されたキーワードを、サジェストキーワードといいます。
検索エンジンに限らず、YouTubeなどの動画サイトでも適用されていますよ。
例えば、Googleの検索バーで「いちご」と入れると、自動的に「いちご狩り」「いちごの日」…とサジェストキーワードが出ます。この機能があることによって「調べたいことが思い浮かんでいるけれど、言葉が出てこない」という場合にも、スムーズに検索ができますね。
サジェストと関連キーワードの違い
サジェストとよく似た機能に「関連キーワード」というものがあります。検索結果のページを一番下までスクロールすると「**に関連するキーワード」という題の10個のキーワードが提案されますが、それが関連ワードです。
検索によく使われるワードを自動的に表示させて、ユーザーのサポートをしている点ではサジェストと同じですが、表示されるキーワードが違います。
- サジェスト
→ユーザーが過去に検索した履歴・今急上昇しているワードなど、関連ワードよりも短期的な情報をもとに表示される - 関連キーワード
→検索ユーザーの現在地や今までの行動に一切関係なく、長期的に自動で集められたデータをもとに表示される
参考にするデータが異なるため、表示されるキーワードも別物なのです。
オートコンプリートとサジェストの違い
オートコンプリートはサジェスト機能の一部なのですが、ユーザーが過去に検索したことのあるキーワードが3つまで表示される機能のこと。
下の画像で赤線を引いた「美容院 浦安」と「美容院 大阪」は筆者が最近検索したキーワードです。キーワードの前が虫メガネマークではなく、時計のマークになっていることも違いを見分けるポイントです。
Googleでのサジェスト選定方法
Googleではより良いサジェストキーワードが表示されるように、以下5つのことに注意して選定しています。
①:検索回数の多いキーワード
検索回数が多いということは、当然ながらそれだけ知りたい人が多いということ。月間のボリューム数が多いワードが表示されやすいです。ちなみに1番最初に表示されている「いちご狩り」は16万以上の検索があり、「いちごの日」以外の検索数はすべて1万を超えていました。
②:現在地を含むキーワード
美容院や飲食店など店舗が存在するキーワードや不動産情報など、特定地域の情報を探している可能性が高いキーワードを検索すると、キーワードの後にユーザーの現在地を考慮した場所の名前が提案されることがあります。
上の画像のように「美容院」と検索バーに入れると、「表参道」が自動で出てきました。これはGoogleが位置情報を入手し、このユーザーは表参道付近にいると判断して、提案しています。
③:多くの人に検索されているキーワード
ただ検索回数が多いだけではなく、多くのユーザーによって調べられているキーワードは、サジェストキーワードになりやすいです。ユーザー数で判断することにより、1人の人が何度も検索しても同一ユーザーならば1回とカウントされます。
このルールがなければ、誰かがサジェストを恣意的に表示させることができてしまいますよね。非常に重要な指標の1つとされています。
④:検索キーワードを含んだサイト数の多さ
検索している人が多いだけではなく、該当する情報が豊富にあって初めて、充実した検索結果を表示させることができます。
Googleは基本的に充実した検索体験を追求しているので、情報(インデックス数)が少ない場合は、まずサジェストには表示されません。
⑤:急上昇キーワード
季節やその時代の流行によっても、サジェストキーワードが変わる場合があります。
例えば、2020年に大流行した鬼滅の刃ですが「お」と入力するだけで、鬼滅の刃がサジェストされました。読み方は「きめつのやいば」ですが鬼という漢字が使われているために、「お」と入れるだけでサジェストされるのです。
2~3年前は「お」と入力しても、鬼滅の刃は出てこなかったのではないでしょうか。
人気サジェストキーワードを取得してSEO対策に
ここまでサジェストの意味から選定方法までご紹介していきましたが、サジェストはSEO対策をする際に有効だということをご存知でしょうか。
- ユーザーの求めるものがわかる
- キーワード選定ができる
- リライトの参考になる
という3つの理由からです。
ユーザーが多く検索したものがサジェストキーワードになりやすい、ということをすでに解説しました。サジェストキーワードがわかれば、閲覧者の求めることが見えてくるでしょう。ニーズをもとに、有益な記事を書くことでSEO対策になります。
サジェストキーワードの取得に役立つ!おすすめツール
サジェストキーワードがSEO対策に有効なのはご理解いただけたと思いますが、1つ1つ文字を打ってキーワードを探すのは大変ですよね。
そこで、一気にたくさんのサジェストキーワードを調べることができる、4つのツールを紹介します。
①:ブロガーはみんな使ってる!ラッコキーワード

出典:ラッコキーワード
ラッコキーワードは、ブロガーに圧倒的な人気を誇っています。
検索バーにキーワードを入力するだけでサジェスト候補の一覧が表示される仕様です。候補から検索ページに飛べるので、そのサジェストキーワードがどのような意図で人気になっているのかも、すぐにわかります。
文章を書くにあたって、ユーザーがキーワードに対して何を求めているかが一目瞭然な、非常に役に立つツールです。
②:総合的におすすめ!Keyword Tool
出典:Keyword Tool
Keyword Toolは、無料で始められる、登録不要のツールです。キーワードを検索すると、キーワード・検索ボリューム・傾向・競合他社との比較ができます。
すべての項目を見る場合は有料版を購入しなければいけませんが、これ一つで完結させたい方にはおすすめです。
③:トレンド検索ならこれ!Googleトレンド
出典:Googleトレンド
Googleトレンドは、サジェストを一覧で表示するツールではありませんが、Googleが公開しているキーワードトレンド分析ツールです。
期間の指定をして検索キーワードの検索数の推移を確認できます。現在・過去のトレンドを探すことができますので、流行に左右される業界のSEOには必須と言えるでしょう。
2004年までの過去から10分前までのリアルタイムまで、すべての時間軸のキーワードの検索数の推移を調べることができます。登録なし・無料で使用できる点も魅力的です。
④:具体的な数調査と競合分析をするなら…aramakijake.jp
aramakijake.jpは、GoogleとYahoo!両方のキーワード検索数を表示します。
検索結果のランキング1位~50位までのサイトごとに、月間でどの程度のアクセスが見込めるかの予測数も表示されるので、競合調査に役立つでしょう。
サジェスト汚染の被害
ここまで、サジェストの良い面ばかりを見ていきましたが、実はサジェストによって企業や特定の人物が損害を受けてしまうことがあります。
ここからはサジェスト汚染という言葉の意味の説明から、実際に被害にあった場合の対策方法までを紹介していきます。
サジェスト汚染とは?
サジェスト汚染とは、サジェスト機能を利用して作為的に、企業や個人の検索候補にネガティブなワードを表示させることを言います。
例えば企業名を検索すると「詐欺」「裁判」「ブラック企業」など、検索した人がマイナスなイメージを持ってしまうようなサジェストが表示されるということです。こうしたサジェストが出てしまうと、真偽はわからなくても「こういうサジェストが出るということは何かある会社なのか?」と多くのユーザーは考えます。
企業イメージがマイナスになることで、新規顧客が獲得しづらくなるでしょう。既存顧客も離れてしまう可能性が高く、そこから業績悪化に繋がるなど、甚大な被害もたらしてしまうのです。
サジェスト汚染は仕掛けられる?
サジェスト汚染は自然に起こることもありますが、ライバル企業などが意図的に仕掛けることもあります。さらに、ある程度のWeb知識さえあれば、個人間でも起こすことが可能です。例えば、
- 掲示板を使って複数のスレッドに、表示させたいネガティブワードの書き込みをする
- 表示させたいネガティブワードを企業名や個人名の後に入れて、検索を繰り返す
などの行為をすれば、簡単にサジェスト汚染は個人でできてしまうというのが恐ろしい点です。
しかし現在では、そのような被害が増えていることもあり、上記のような方法を取ったとしても簡単にはサジェスト汚染できないようになっています。
サジェスト汚染の被害にあったら?
もしもご自身、もしくはご自身の会社がサジェスト汚染の被害にあってしまった場合の、汚染浄化(サジェスト削除)方法を紹介していきます。
①:個人での汚染浄化方法
一個人でも、サジェストの削除依頼は可能です。Googleにおいては、「法律に基づく削除に関する問題を報告する」というページから申請ができます。
ただし、しっかりとした法的根拠が必要になるので、申請したからといって必ずしも削除されるという保証がないのが現実です。
②:弁護士に相談
個人で削除できなかった場合はやはり、プロに任せましょう。先ほども述べたように、法的根拠が必要になりますので、多少の費用がかかっても弁護士に任せることが解決への近道です。
依頼をする場合はネット被害などIT分野に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。「インターネット被害 弁護士」などで検索するとITを専門とした弁護士サイトがいくつか出てきますので、参考にしてみてください。
③:サジェスト汚染対策業者に依頼
「サジェスト汚染対策業者」を謳う企業に依頼すると、汚染が解決することが多いですが、業者選びには注意が必要です。
サジェスト汚染対策には、テクニカルな対策・法的対策の2種類が存在しますが、問題なのは弁護士資格のないスタッフが法的な対策までしてしまうケース。
弁護士資格のない人が、削除代行業務を行うことは違法です。違反すると2年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑を科される可能性があります。
このような業者に頼んでしまうと、ご自身も犯罪の片棒を担がされてしまいますので、法的対策は直接弁護士に依頼するようにしてください。
サジェスト対策とは
意図的にサジェストを操作するのは、マイナス面の汚染だけじゃないというのはご存じですか?
本来のサジェストを作為的に操作し、自社に誘導することになるので、検索ユーザーにとっては必ずしも良いことではありません。ただし、ポジティブな意味合いでワードを表示させる対策は、そこまで悪いことではないという意見も多いです。
人工的なサジェスト対策
企業側から頼んで、自社が表示されるようにサジェストを意図的に操作してもらう場合があります。
キーワードの関連ワードとして、企業名(ブランド名)を表示させるよう、コストをかけて意図的にサジェストを操作することを、サジェスト対策といいます。
例えば、「いちごビュッフェ」と入れるとヒルトンが続いているサジェスト候補があります。これは、本当にいちごビュッフェといったらヒルトン!と思って検索している(第一想起)のだと思いますが、これを意図的に表示させることもできるのです。
もし、耳にしたことがない会社名・店舗名などがサジェストとして表示されてくる場合は、人工的なサジェスト対策を行っている可能性があるでしょう。このようなサジェスト対策に関しての賛否は、議論の余地が残るところではあります。
しかし、サジェストに表示されることは、企業の知名度を広げたり、アクセス数を伸ばすという効果があるというのは、まず間違い無いでしょう。
Yahoo!のサジェスト対策のほうが楽?
サジェスト対策においては、GoogleよりYahoo!のほうが対策しやすい傾向があります。その理由としては、
- 短期的な検索結果も影響する
- ユーザー自身の行動履歴や検索履歴が影響しない
という、Yahooのアルゴリズムの影響で、サジェストを人工的に操作しやすいのです。
その証拠に、ほとんどのサジェスト対策業者でYahoo!よりも、Googleの方が対策費用が高くなります。サジェスト対策を検討する場合は、専門の業者がありますので「サジェスト対策」などのキーワードで検索してみてください。
※補足ですが、サジェスト以上に長期的な対策を要する関連キーワード対策は、さらに相場が高いです。
サジェストを効果的に活用して、知名度の向上に役立てましょう!
本記事ではサジェストの意味から始まり、SEO対策に役立てる方法・サジェスト汚染について・サジェスト対策までをご紹介しました。
普段私たちが何気なく使っているサジェスト機能ですが、正しく利用すれば、SEO対策や企業の認知度アップに使える可能性も秘めていると言えるでしょう。この記事を参考にして、ぜひ、企業の繫栄に役立てていきましょう!