「どの文章生成AIを使えばいいか分からない」
「用途別におすすめの文章生成AIが知りたい」
このような悩みをお持ちではないでしょうか。有名な文章作成AIとしてChatGPTやBardなどが挙げられますが、他にもさまざまなAIツールがリリースされています。それぞれ得意とする領域があるため、使い分ければ多くの作業を効率化できます。
しかし、文章生成AIは種類が多いため、各ツールの特徴を理解するのは難しいのではないでしょうか。そこで本記事では、実際に使用した経験をもとに以下の項目について解説していきます。
- おすすめの無料AI文章作成サイト・アプリ
- 文章生成AIの比較
- 文章生成AIを使うメリット・デメリット
AIツールはそれぞれ魅力的な特徴や機能を搭載しています。この記事を参考に、ぜひ自分に合ったサイト・アプリを利用してみてください。
目次
おすすめのAI文章作成サイト・アプリ
おすすめの文章生成サイト、アプリを以下11個に絞って紹介していきます。
- ChatGPT
- Bing AI
- Bard
- Cohesive
- ELYZA
- ぷれあい(PlayAI)
- Catchy
- NotionAI
- Jasper
- Emma Tools
- Transcope
それぞれの特徴や、得意とする機能をくわしく解説していきます。
ChatGPT
おすすめの用途
- 要約、翻訳
ChatGPTはOpenAIからリリースされた、文章生成AIです。シンプルなUIで、はじめて利用する方でも直感的に操作できます。要約と翻訳が同時にできるため、海外の論文などでも大まかな内容を短時間で把握できます。リリース当初は、最新情報に対応していないという欠点がありましたが、現在はプラグインの導入で解決できます。今後は画像を入出力できる機能も追加されるようなので、ますます期待が高まるツールです。
Bing AI
おすすめの用途
- 詩など創造性を必要とする文章作成
BingAIは、ChatGPTの最新モデルであるGPT-4を検索に特化させたAIです。Microsoftの検索エンジンであるBingから利用できます。会話のスタイルを下記の3つから選ぶことができ、創造性の高い文章が作成できます。
- より創造的に
- よりバランスよく
- より厳密に
BingAIについて、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Bard
おすすめの用途
- SEOコンテンツの作成
BardはGoogleからリリースされた文章生成AIです。Bardが出力する文章は、開発元であるGoogleが有益だと判断した内容だと考えられます。そのため出力内容は、ユーザーに有益なコンテンツを上位表示しているSEOと相性が良いはずです。
また、近いうちにプラグイン機能が追加されると発表されており、実現すれば画像生成機能なども使えるようになります。利便性の向上が見込まれるため、シェア率も高まっていくでしょう。
Bardについて、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Cohesive
おすすめの用途
- SEOコンテンツの作成
- セールスレターの作成
Cohesiveは、さまざまなテンプレートが用意されている文章作成用のAIです。記事の出力も可能で、下記項目を入力するだけで簡単に作成できます。
- 記事を作る目的
- 文章のトーン
- 文字数
またセールスレターや、物語の作成など、さまざまな文章に特化したテンプレートが数多く用意されています。AIを活用する方法が思いつかない方でも、Cohesiveを使えばアイデアが思いつくかもしれません。
Cohesiveについて、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ELYZAシリーズ
おすすめの用途
- 要約
- メールの作成
ELYZAは東大発のAIプロフェッショナル集団で、下記3つの日本語に特化したAIツールをリリースしています。
- ELYZA DIGEST
- ELYZA Pencil
ELYZA DIGESTはテキストを3行に要約するAIで、活用できれば効率的に文章の要旨が理解できます。URL入力にも対応しているため、より容易にネット上の情報を収集できるでしょう。
ELYZA Pencilは、メール文や職務経歴書の作成ができるツールです。入力したキーワードを使った文章が生成でき、たとえば「”寝坊” “遅刻” “言い訳”」と入力すれば謝罪のメール文を簡単に作成できます。
ぷれあい(PlayAI)
おすすめの用途
- 物語文の作成
ぷれあいは日本語対応している文章作成ツールです。プロンプトには指示ではなく、物語の冒頭を入力します。入力した内容に沿って続きを補完するため、創作活動のアイデア出しに利用するユーザーもいるようです。他の生成AIと異なり、生成された文章をユーザー全体で批評、コメントできるため、AIツールを軸にした掲示板としても楽しめます。
Catchy
おすすめの用途
- キャッチコピーの作成
- 画像生成AIのプロンプト作成
CatchyはChatGPTの言語モデルを採用した、日本語に対応している文章作成AIです。ターゲットや商品の簡単な説明を入力するだけ、キャッチコピーを作成できるため、マーケティングを効率的に進められます。またDALL·E 2などの画像生成AIで、理想通りの画像を生成するためのプロンプトを出力する機能も搭載されています。
NotionAI
おすすめの用途
- 要約
- 文章のトーン変更
NotionAIは、タスク管理やドキュメント作成が行えるツール「Notion」に搭載された機能です。文章の要約やプロジェクトの整理など、さまざまな作業を自動化できます。また、作成した文章のトーンを
- フォーマル
- フレンドリー
- カジュアル
などに変更する機能が搭載されており、ターゲットに合わせた最適な文章表現ができます。
NotionAIについて、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Jasper
おすすめの用途
- ブログ記事の作成
Jasperには50以上のテンプレートがあり、目的に合わせた文章が作成できます。ブログに活用できるテンプレートも多く、導入部分やメタディスクリプションのみを生成する機能など、限定的なニーズにも対応可能です。
また、製品やサービスなどの情報をアップロードすれば、自身のサービスに関する情報を事実に基づかせて説明させられます。活用すれば、商品のディスクリプションなどが短時間で作成できるようです。
EmmaTools
おすすめの用途
- SEOコンテンツの作成
EmmaToolsはSEOコンテンツに特化したAIライティングツールです。見出しを入力すると、内容に合わせてコンテンツを自動で作成するため、執筆時間を大幅に短縮できます。また、独自基準によって記事のコンテンツ力を測定でき、改善点を提示する機能も搭載されています。リライトの優先度が把握でき、運営する媒体を成長させる手助けとなるでしょう。
Transcope
おすすめの用途
- 長文のSEO記事作成
Transcopeは、GPT-4をベースに開発された、SEOに強い文章をAIが自動作成するためのソフトウェアです。業務で利用することを想定して開発されているのが特徴となっており、以下の3点が他の類似サービスと比較したときの違いとなっております。
1.SEOに最適
ChatGPTなど他のツールと違い、競合サイトの分析をしながら、SEOに強い文章を生成できます。
2.AIの待ち時間ゼロ
予約機能を使えば、AIが文章を生成する時間を待つ必要はありません。
3.マルチモーダルな入力
テキストだけでなく、URLや画像ファイルなど、様々な入力形式に対応可能です。
文章作成AIで履歴書を作成してみた
文章生成AIの特徴や性能の違いを理解するため、同じプロンプトで生成された文章を比べてみました。検証には以下3つのAIツールを利用しています。
- ChatGPT
- Bard
- Cohesive
また、実際に入力したプロンプトは次の通りです。
入力したプロンプト
私は就活中です。大学では経済について学んでいました。希望する企業は以下のような特徴を持っています。200字程度で志望動機を書いてください。
【志望企業の概要】
・粉体機器メーカー
・BtoB企業
「なぜ粉体機器メーカーを志望しているのか」に焦点を当てて、文章を考えてください。粉体機器を作る難しさや、粉体機器が社会に与えるメリットなどを考えると良いでしょう。
ChatGPT
ChatGPTは製品の性質を理解した、粉体機器メーカーならではの志望動機を作成できました。また、大学で学んだ知識を活かせる構成であり、経済学部の生徒が作成する履歴書として適切な内容を出力しています。
今回比較したAIツールの中では最も完成度が高いように感じました。志望企業や自身の強みをプロンプトに追加すれば、かなり完成度の高い志望動機が作成できそうです。
Bard
Bardも粉体機器が社会に与える影響を記述してくれました。しかし具体的な内容が多く、プロンプトで指定した「なぜ粉体機器メーカーを志望しているのか」が記載できていません。また、経済学部の生徒である特徴を活かせず、志望動機としては不適切です。
ただし、粉体機器が社会に与えるメリットなど、一部の内容は参考にできそうです。自身で作成した志望動機に付け加える形で使用すれば、完成度の向上に繋がるでしょう。
Cohesive
Cohesiveが生成した志望動機は、一部不自然な表現はありますが筋は通っています。しかし、粉体機器の解像度が低く、どの業界でも使えそうな文章に感じました。しかし、汎用性の高い文章ではあるため、目的が志望動機のベース作成であれば有益なツールです。
ただし、Cohesiveが日本語対応したのは2023年5月とまだ日が浅いため、日本語のプロンプトでは精度が低い可能性があります。そのため、元々対応していた英語にプロンプトを翻訳し、再度志望動機を作成させました。しかし、指示を勘違いしたのか、「粉体機器メーカーで働くべき理由」をプレゼンする文章を出力しています。下記画像は、Cohesiveが英語のプロンプトで出力した内容の一部です。
文章作成AIの仕組み
文章を作成するAIは、大規模言語モデル(LLM)を、会話や複雑な文章の理解に特化するようチューニングして作られています。文章生成の厳密な仕組みはAIによって異なりますが、基本的には大量のデータをもとにした確率分布によって、言葉の羅列を予測して生成しています。
文章生成AIの一つである、ChatGPT仕組みに関してくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
AIで文章作成を行うメリット
AIで文章作成を行うメリットは、以下の2点です。
- 文章を効率的に作成できる
- ユーザーの知らない知識を盛り込める
それぞれ確認していきましょう。
文章を効率的に作成できる
下記は、ChatGPTとBardの生成スピードをまとめた表です。
AI | ChatGPT(無料版のGPT-3.5) | ChatGPT(有料版のGPT-3.5) | Bard |
---|---|---|---|
文字数 | 340 | 424 | 359 |
秒数 | 17.1 | 6.8 | 4.9 |
生成スピード[文字/秒] | 19.9 | 62.4 | 73.3 |
AIの執筆スピードは、人間の執筆速度の限界を大きく上回っています。さらに、同時進行で作業を任せられるため、文章作成の効率化が可能です。また、文章生成AIは記事や履歴書をはじめ、物語など想像力を必要とするコンテンツにも対応しているため、さまざまな執筆作業にかける時間を短縮できます。
ユーザーの知らない知識を盛り込める
AIは膨大な量のデータベースをもとに文章を出力するため、ユーザーはくわしくない分野のコンテンツでも作成できるようになります。誤った情報を生成することもありますが、一部のAIは参考にした記事や論文のURLを提示させられるため、ファクトチェックも容易にできます。
また、プロンプトで文章表現を指定できるため、普段使わないような言い回しを適切に使用した文面が作成可能です。ビジネスメールを送る際などに便利です。
AIで文章作成を行うデメリット
文章生成AIは便利ですが、短所も存在します。以下3つのデメリットをそれぞれ確認していきましょう。
- 誤情報を出力する可能性がある
- 著作権を侵害するおそれがある
- 思考力や執筆能力が低下する可能性がある
誤情報を出力する可能性がある
AIは誤情報を出力する可能性があります。存在しない文献を参考に、さも当たり前のように解説することもあるため、一見信頼できる情報だと勘違いするユーザーもいるでしょう。ファクトチェックをせずに公開すると、事実と異なる情報の拡散に繋がってしまいます。AIが出力した文章は必ず自身で確認し、必要に応じてリライトを行いましょう。
著作権を侵害するおそれがある
AIは、さまざまなコンテンツを参考に文章を作成しています。引用元を提示せずにWebサイトの文章を生成する可能性もあり、そのまま使用すればコピーコンテンツと見なされる可能性があります。また、他サイトが独自で行った、アンケートや研究をもとにした文章を引用する場合もあるため、AIが出力した情報は出典元も確認するようにしましょう。著作権を侵害するリスクを回避できます。
思考力や執筆能力が低下する可能性がある
AIで文章執筆を行うと、誰でも簡単に自然な文章を作成できます。しかし、直接執筆する機会が減るため、ユーザーの思考力や執筆能力が低下する可能性が懸念されています。実際に、学校の課題などにAIツールを利用する生徒もいたため、一部の大学では利用が禁止されたほどです。国単位での規制も始まっており、今後の各国の対応に注目が集まっています。
AIで文章作成を行う際の注意点
AIで文章作成を行う場合は、以下3つの点に注意しましょう。
- ファクトチェックが必須
- 人間によるリライトが必要
- SEOに悪影響を及ぼす可能性
それぞれ解説していきます。
ファクトチェックが必須
AIは誤情報を生成する可能性があるため、ファクトチェックが必須です。サイト全体の評価にも関わるため、AIで文章作成する場合は参考文献を表示させ、事実と異なる部分がないか人間が確認しましょう。
人間によるリライトが必要
AIが生成する文章は表現の幅が狭く、一辺倒になりがちです。そのためコンテンツとして質が悪く、公開してもユーザからの評価は低いでしょう。文章生成AIを利用する際は、同一語尾の連続や、論理破綻などを人間が確認し、読みやすい文章へリライトする必要があります。
SEOに悪影響を及ぼす可能性
文章生成AIを使ってSEOコンテンツを作成する場合は、Googleのスパムポリシーに気を配る必要があります。以下は、AIツールで作成したコンテンツに対する、Googleのポリシーを一部抜粋したものです。
- 自動ツールで翻訳されたテキストが、人間によるチェックや編集を経ずに公開されたもの
- 品質やユーザー エクスペリエンスを考慮せず、自動プロセスで生成されたテキスト
- 類義語生成、言い換え、難読化などの自動化手法を使用して生成されたテキスト
AIで作成したコンテンツはスパムとみなされ、SEOに悪影響を与える可能性があります。しかし、Googleは有益性の高いコンテンツであれば、制作方法は問わないと明言しています。(Google検索セントラル | AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス)つまり、AIに作成させた文章でもリライトをしっかりと行い、有益なコンテンツに仕上れば、検索上位表示も可能です。
各国の文章作成AIに対する規制
文章作成をAI任せにしてしまうと、思考力や執筆能力が低下する恐れがあります。実際に世界中の大学や地方自治体の一部では学力の低下を危惧し、すでにAIツールの一つであるChatGPTの規制に踏み切っています。最初に規制を行ったのはアメリカのニューヨーク市で、2023年1月に市内の学校に設置されているパソコンからのアクセスを遮断しました。
日本の大学でも生徒の思考力低下などを懸念して、AIツールの規制が進んでいます。下記はすでに規制に関する声明を出した大学の一部です。
- 東京大学
- 上智大学
- 慶應義塾大学
- 日本大学
機密情報の入力のみを制限したり、課題ごとに規制内容を変えたりと、大学によって規制のレベルは異なるようです。大学は、学生が試行錯誤をして得る学びも大切にしています。そのため、他の大学でも同様に規制は広まっていくでしょう。
また、情報管理の仕組みが整っていないという理由で、イタリアでは国単位でChatGPTが規制されています。今後もAI規制に関する議論は加速していくはずです。日常的にAIツールを利用している方は特に注目するべきトピックです。
まとめ
本記事では以下の項目について解説しました。
- おすすめの無料AI文章作成サイト・アプリ
- 文章生成AIの比較
- 文章生成AIを使うメリット・デメリット
文章作成ができるAIは多くあるため、どのツールを使えばいいか迷ってしまいます。この記事を参考にして利用目的に合ったツールを利用しましょう。
またAIは、上手く使えば短時間で文章作成が可能になりますが、ファクトチェックやリライトを行わないと誤情報の拡散に繋がります。文章作成にAIを利用する場合は、メリットとデメリットを理解した上で適切に利用しましょう。