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スパムアップデートとは?Google公式の発表をもとに影響や対策を解説

田邊 竜大

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田邊 竜大

スパムアップデートとはGoogle公式の発表をもとに影響や対策を解説

「スパムアップデートってなに?」
「スパムアップデートへの対策は?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。スパムアップデートは、スパムを検出するシステムを改善するアップデートです。検索結果からスパムコンテンツを排除するために定期的に実施されます。

コンテンツがスパム判定を受けると、検索順位が低下したり、検索結果に表示されなくなったりします。そのため、スパムの種類や性質を理解しておかなければいけません。

本記事では、以下の項目に関して解説していきます。

この記事で解説している項目

  • スパムアップデートの概要
  • スパムアップデートの対象
  • ペナルティを受けた際の対処法

    この記事を読めば、スパムアップデートの全容が理解でき、コンテンツを制作する上で気をつけるべきポイントが明白になります。ぜひ参考にしてください。

    スパムアップデートとは

    スパムアップデートとは、検索エンジンのスパムを検出するシステムを、改善するアップデートです。検索ランキングを不正に操作するスパムコンテンツを排除する目的で実施されます。

    スパムが横行すると、検索ユーザーは検索意図に合ったサイトに辿り着きにくくなります。Googleは2020年だけで、400億ものスパム行為があるページが毎日見つかったと報告しました。
    参考:スパムを検出して関連性と信頼性の高い検索結果を提供 | Google Search

    スパムアップデートが行われないと、新たに生み出されるスパムに対処できません。したがって、検索意図と異なるサイトや、ウイルスが仕込まれた有害なサイトなどが検索上位を占める危険があります。スパムアップデートは、検索エンジンの有益性を保つために必要な措置なのです。

    スパムアップデートは、悪質なコンテンツの取り締まるために行われています。そのため、適切にコンテンツを作成していれば、スパムアップデートに対策を講じる必要はありません。

    しかし気づかない内に、自身のサイトの一部の表現や構成が、ペナルティの対象となっている可能性もあります。スパムアップデート後に検索順位が変動した場合は、自身のサイトにスパムが含まれていないか確認しましょう。スパムの一覧はGoogleウェブ検索のスパムに関するポリシーに掲載されています。

    過去のスパムアップデート

    これまで行われてきたスパムアップデートの時期は次の通りです。

    実施されたスパムアップデート 時期
    the first part of the June 2021 spam update 2021年6月23日
    the second part of the June 2021 spam update 2021年6月28日
    Released the July 2021 link spam update 2021年7月26日
    Released the November 2021 spam update 2021年11月3日
    Released the October 2022 spam update 2022年10月19日
    Released the December 2022 link spam update 2022年12月14日

    参考:Google Search Status Dashboard

    スパム系のアップデートは、年に数回行われているとわかります。詳細な内容はアナウンスされませんが、アップデートのタイミングはGoogleが運営しているTwitterアカウント「Google SearchLiaison」「Google Search Central」で発表されます。また、Google Search Status Dashboardでは、2020年以降に行われた大規模アップデートの一覧の確認が可能です。最新情報が気になる方はこまめにチェックしておきましょう。

    アップデートの内容は明かされていない

    スパムアップデートは実施日時などは発表されますが、具体的な更新内容などは明かされません。詳細な施策を公表すると、Googleの対策を逆手に取ったスパムが横行する危険があるためです。したがって、スパムアップデートの詳細は今後も公開されません。

    ただし、スパムに該当するコンテンツは「Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー」に記載されています。Googleの公開情報を参考にして、スパムポリシーに抵触しないコンテンツ制作を心がけましょう。

    リンクスパムアップデートとの違い

    Googleが行うスパムに対処するためのシステム更新は、以下の2種類があります。

    スパムに対処するシステム更新の種類

    • スパムアップデート
    • リンクスパムアップデート

      どちらもスパムに対応するための更新ですが、対象が異なります。リンクスパムアップデートは、リンクスパムに特化した措置で、通常のスパムアップデートよりも範囲が限定的です。また、ペナルティの内容にも以下の違いがあります。

      アップデートの種類 ペナルティ
      スパムアップデート 検索順位の低下、検索結果からの除外
      リンクスパムアップデート リンク効果の無効化

      リンクスパムアップデートは検索順位の低下などのペナルティを受けることはありません。なぜなら、第三者からスパムリンクが大量に貼られ、意図的にスパムサイトに仕立て上げられる可能性もあるからです。しかし、リンク効果が無効になるため、不正なリンクによってサイト評価を高めていた場合は、実質的に検索順位が低下する可能性があります。

      スパムアップデートが及ぼす影響と対処方法

      スパムアップデートにより、スパムの検出精度が向上します。そのため、今まで検出されていなかったスパムの発見が可能となり、ペナルティ対象のサイトが増える可能性があります。

      Googleが用意しているスパムへのペナルティは以下の2種類です。

      種類 影響 対処方法
      自動による対策 検索順位が低下する スパムの修正後、Googleのロボットから安全性が認められるまで待つ
      手動による対策 サイトの一部またはすべてが、Google検索の検索結果に表示されなくなる スパムの修正後、サーチコンソールで再審査リクエストを送信する

      アップデートにより、コンテンツがスパムだと判断されると、検索順位が低下したり、表示されなくなったりします。手動の対策を受けた場合は、スパムの疑いがある部分を修正し、再審査リクエストを送信して対処します。数日から数週間で対応してくれることがほとんどです。
      参考:手動による対策レポート | Search Console ヘルプ

      ただし、自動の対策を受けた場合は、再審査リクエストが送れません。そのため、アルゴリズムから安全なサイトになったと判断されるまで待つ必要があります。Google検索セントラルには次のように記載されています。

      スパム アップデートの後に変更があったサイトの管理者は、Google のスパムポリシーを確認し、これを確実に遵守する必要があります。サイトが Google のポリシーに違反していると、検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります。サイトに変更を加えた場合、Google のスパムポリシーを遵守していることを Google の自動システムが学習するのに数か月かかることがありますが、それにより掲載順位の改善につながる可能性があります。

      引用:Google 検索のスパム アップデートとお客様のサイト | Google検索セントラル

      安全なサイトだと判断されれば、元の検索順位に戻る可能性はあります。しかし、判断されるまでの間に、他媒体から良質なコンテンツが公開された場合や、そもそもスパムが検索上位表示に寄与していたのであれば、順位は戻りません。スパムを使った検索順位の操作は絶対にやめましょう。

      ユーザーファーストなコンテンツであれば問題ない

      ユーザーファーストなサイトであれば、スパムアップデートによる悪影響は受けません。むしろ、検索上位にスパムを用いたサイトがある場合、相対的に順位が上昇する可能性があります。

      ユーザーファーストなコンテンツとは、ユーザーの利益を最優先に考えたコンテンツのことです。例として、以下のようなコンテンツが挙げられます。

      ユーザーファーストなコンテンツの例

      • 検索意図が考慮され、必要な情報が盛り込まれている
      • 内容が筆者の実体験などに基づいており、独自性が高い
      • わかりやすいデザインで、ボタンやメニューなどが操作しやすい

        以上のように、ユーザーの有益性を意識したサイト制作ができれば、今後のスパムアップデートからも影響は受けません。検索エンジンやユーザーを騙すようなコンテンツは制作せずに、クリーンなサイト運用を行いましょう。

        スパムアップデートの対象

        以下の8つは、スパムアップデートの対象となるコンテンツの一例です。

        スパムアップデートの対象例

        • クローキング
        • 誘導ページ
        • ハッキングされたコンテンツ
        • 隠しテキスト・隠しリンク
        • キーワードの乱用
        • リンクスパム
        • 不正なリダイレクト
        • スパム行為のある自動生成コンテンツ

          Google公式の解説を参考に、それぞれ紹介していきます。

          クローキング

          クローキングとは、ユーザーと検索エンジンにそれぞれ異なるコンテンツを表示することです。例として、以下のようなものが挙げられます。

          クローキングの例

          • 検索エンジンには子供向けのアニメを表示しながら、ユーザーには暴力的な画像など、異なるコンテンツを表示する行為
          • IPアドレスやユーザーエジェント(使用しているOSやブラウザの情報)によって、訪問者が人間かロボットかを区別し、ロボットにのみテキストだけで構成されたページを表示する行為

            参考:クローキング | Google検索セントラル

            クローキングが横行すると、ユーザーの検索意図とは異なるサイトが上位に表示される恐れがあります。検索の有益性の低下に繋がるため、スパムに指定されています。

            誘導ページ

            誘導ページ(ドアウェイページ)とは、最終的にリーチさせたいページに比べて、有用性の低い中間ページにユーザーを誘導するためのページです。特定の類似検索キーワードの検索結果を操作する目的があります。該当するページや行為は以下のとおりです。

            誘導ページの例

            • 類似URLのサイトを複数作成し、特定のキーワードにおける検索上位の独占を狙う行為
            • 特定のキーワードに関するサイトを複数持ち、それらのサイトから特定のページにユーザーを誘導する行為
            • ユーザーを、サイト内の異なるコンテンツに誘導するために作成されたページ
            • サイトの階層構造が明確ではない状態で作成された、内容が類似するページ

              参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | 誘導ページ

              ユーザーが必要な情報にたどり着きにくくなるため、誘導ページはスパムとして位置づけられています。

              ハッキングされたコンテンツ

              ハッキングされたコンテンツとは、サイトのセキュリティを突破した第三者によって置かれた、悪意のあるコンテンツのことです。代表的なハッキングの例を、表にまとめました。

              名称 内容
              コードインジェクション ハッキングしたサイト内に、ウイルスなどの悪意のあるコンテンツを設置する行為
              ページインジェクション ハッキングしたサイトに、スパムコンテンツやウイルスなどが含まれたページを設置する行為
              コンテンツインジェクション ハッキングしたサイトをひそかに操作する行為
              リダイレクト ウイルスなどを含むページに、ユーザーをリダイレクトさせる行為

              参考:ハッキングされたコンテンツ | Google検索セントラル

              ハッキングされたコンテンツは、ハッカーの攻撃が原因で設置されます。そのため、クリーンなコンテンツを制作しているサイトでも、スパムに認定される可能性があります。SSL化など、セキュリティ対策は徹底的に行っておきましょう。

              隠しテキスト・隠しリンク

              隠しテキスト・隠しリンクとは、Googleのロボットにしか見えないテキストやリンクのことです。以下に例を示します。

              隠しテキスト・隠しリンクの例

              • ページの背景と同じ色にしたテキスト・リンク
              • 画像の背面に設置したテキスト・リンク
              • ユーザーが見える範囲外に設置したテキスト・リンク
              • フォントサイズまたは不透明度が 0のテキスト・リンク
              • 「、」「。」「-」など、極端に目立たないリンクテキスト

                参考:隠しテキストと隠しリンク | Google検索セントラル

                隠しテキスト・隠しリンクを使うと、ユーザーが閲覧する情報とは異なる内容が、検索エンジンに提示されます。正常なサイト評価ができなくなり、検索結果にも影響が及ぶため、スパムとして処理されています。

                キーワードの乱用

                キーワードの乱用とはページ内に対策キーワードを多用し、一致率を上げてランキングを上げる手法です。たとえば、以下のようなものが該当します。

                キーワードの乱用の例

                • 文脈などと関係なく、ただ電話番号を羅列しただけのページ
                • 特定の地域名で検索上位に表示されるために、地域名の羅列だけで構成されたコンテンツやフッターテキスト
                • 特定のキーワードを、不自然なほどに多用しているコンテンツ

                  参考:キーワードの乱用 | Google検索セントラル

                  キーワードを不自然に詰め込んでも、有益性の高いコンテンツにはなりません。むしろ読みづらく、低品質なコンテンツになるため、キーワードの乱用はスパムと見なされています。

                  リンクスパム

                  検索結果の操作を目的としたリンクなどを、リンクスパムと呼びます。被リンクの獲得がSEO評価の一部であることを逆手に取り、過去にはリンクの売買などが行われていました。そのため、Googleは以下に該当するリンクや行為はスパムと見なし、サイト評価の対象外にしています。

                  リンクスパムの例

                  • リンクの売買
                  • 過剰な相互リンク
                  • メインサイトの被リンクを目的としてサイトを作成する行為
                  • 他サイトのコメント欄に、宣伝目的などで設置したリンク

                    参考:リンクスパム | Google検索セントラル

                    リンクスパムには不正なリンクだけでなく、被リンク獲得のためだけに作成した、サテライトサイトなども含まれるため注意しましょう。

                    また、検索エンジンからの評価を下げる目的で、自身のサイトにスパムリンクが貼られることもあります。不審なリンクは、サイト管理ツールのGoogle Search Consoleで確認可能です。定期的にチェックしておきましょう。

                    スパムの確認方法について、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

                    不正なリダイレクト

                    リダイレクトとは、アクセスしたページとは異なるページに、ユーザーを遷移させることです。ユーザビリティを向上する目的などで使われますが、ユーザーのニーズを満たさないリダイレクトは、不正なリダイレクトと呼びます。該当するリダイレクトは以下のとおりです。

                    不正なリダイレクトの例

                    • スパムが含まれるページや、ウイルスサイトへのリダイレクト
                    • ユーザーがリクエストしたページとは、全くタイプが異なるページへのリダイレクト

                      参考:不正なリダイレクト | Google検索セントラル

                      不正なリダイレクトにより、ユーザーはウイルスが含まれているサイトや、不正なアプリのインストール画面に遷移させられることがあります。個人情報が抜かれる可能性もあり、大変危険です。

                      ただし、リニューアル後のサイトへの遷移やURLの正規化などにリダイレクトを使用するのは問題ありません。正当な理由がある場合のみ設定しましょう。

                      スパム行為のある自動生成コンテンツ

                      スパム行為のある自動生成コンテンツとは、検索ランキングの操作のために作成された、低品質なテキストのことです。以下のコンテンツが当てはまります。

                      スパム行為のある自動生成コンテンツの例

                      • 対策キーワードとの一致のみを目的に作成された文脈がない低品質なコンテンツ
                      • 人間による十分なリライトやファクトチェックなどが行われずに公開された、自動生成を用いたテキスト
                      • 既存コンテンツの表現を、AIを用いて言い換えただけのテキスト
                      • 既存サイトの情報をただ繋ぎ合わせただけで、質が低いテキスト

                      参考:スパム行為のある自動生成コンテンツ | Google検索セントラル

                      これらのコンテンツは、独自性や信憑性に欠け、有用性も低いため、スパムに指定されています。

                      ただし、記事の品質向上を目的に自動生成ツールを利用しているのであれば、スパムには該当しません。高品質な記事は、AIを使用していたとしても、検索上位に表示される可能性があります。
                      参考:AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス | Google 検索セントラル

                      スパムについて理解し、安全なコンテンツ作成を

                      本記事では以下の項目について解説しました。

                      この記事で解説した項目

                      • スパムアップデートの概要
                      • スパムアップデートの対象
                      • ペナルティを受けた際の対処法

                        スパムアップデートとは、検索結果におけるスパムの排除を目的とした、アルゴリズムの更新です。検出精度が上がり、スパムと見なされたサイトは検索順位が低下します。しかし、Googleのポリシーに則ってコンテンツを作成していれば、影響を受けることはありません。この記事を参考に、自身の媒体にスパムが含まれていないか確認し、信頼性の高いサイト運営を目指しましょう。

                        この記事を書いたライター

                        田邊 竜大

                        田邊 竜大

                        運営元のJetB株式会社メンバー。YouTubeやTikTokなど、さまざまなSNS運用をしていた経験を買われて優良WEBに参画。「難しいことをシンプルに」をテーマに記事を執筆。休日はフットサルかゲームをして過ごしている。神奈川県出身。

                        このライターの記事一覧

                        この記事を監修した人

                        藤澤 尚也

                        藤澤 尚也

                        優良WEB編集長・JetB株式会社メディア事業部SV。前職の大手IT企業の同僚から誘いを受け、2018年に営業として入社。その後Webディレクターに転身し、3年以上経験を積む。多様な経験からくる幅広いWebリテラシーと持ち前の文章力を買われて優良WEBの編集長に抜擢。ベースとラーメン二郎をこよなく愛する。

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