
「ECサイトの集客力を高めるにはどうしたらいいだろう?」
ECサイトを立ち上げたものの、想像していたよりも流入が少なくて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
ECサイトの主な集客方法は、「コンテンツマーケティング」「SNSでの情報発信」「インターネット広告」です。販売する商品やターゲット層、予算などによって最適な方法は異なります。
本記事では
- ECサイトにおける4つの流入経路
- 新規顧客獲得のための3つの集客方法
- 既存顧客向けの3つの集客方法
を事例も交えて紹介していきます。ぜひ最後まで読んで自社に合う集客方法を見つけてください。
目次
ECサイトにおける4つの流入経路
ECサイトの集客方法を説明する前に、まずECサイトの流入経路について解説します。ECサイトの流入経路は「自然検索」「広告経由」「リファラル」「直接流入」の4つに分けることができます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
①自然検索(オーガニック)
自然検索とは、GoogleやYahoo!などで検索し、検索結果画面の広告枠を除いた部分を指します。自然検索からの流入は、検索結果からWebサイトをユーザーがクリックすることで、流入が発生することを意味します。検索結果ページにおいて、1ページ目の上位に表示されているWebサイトほど、自然検索での流入を獲得しやすくなります。
②広告経由
広告経由とは、ユーザーがインターネット上に掲載された広告をクリックすることによって流入が発生することを指します。先ほどご紹介した自然検索と比較して、広告を経由し流入したユーザーは購買意欲が高いとされています。
③リファラル
リファラルとは、FacebookやTwitterなどのSNSや他のWebサイトからクリックして、ECサイトへの流入が発生することを指します。
集客したいECサイトの挿入を行う場合は、獲得したいユーザーを明確にし、ターゲット層に合致する外部のWebサイトを選定することで、より効果的な集客が期待できます。
ただし、外部サイト・SNSのユーザーニーズと集客を行いたいサイトの訴求ポイントがズレてしまうと、ユーザーが離脱する可能性も高くなるので、注意が必要です。
④直接流入
直接流入とは、最初から特定のECサイトに訪れようと、目的を持って流入してくることを指します。「お気に入り」や「ブックマーク」は既にECサイトを知っているユーザーが行うアクションなので、直接流入を狙う施策は「リピーターを増やすための施策」と言い換えることもできます。
新規顧客獲得のための集客方法3選
1. コンテンツSEO・コンテンツマーケティング
コンテンツSEOとは、ユーザーにとって有益な情報を提供するコンテンツを作成し、検索結果の上位に表示させて自然流入を増やす手法です。コンテンツSEOは、SEO(検索エンジン最適化)の一環でもあります。
コンテンツマーケティングとは、価値のあるコンテンツを提供することでファンを増やし、収益につなげていく手法を指します。
一般的に、検索エンジンが優良だと判断したサイトが上位表示される仕組みです。では優良なサイトとは具体的にどんなサイトを指しているのでしょうか。具体的には、以下の要素を備えているサイトが「優良」だとされます。
・情報量が多い
・文字情報が多い
・掲載期間が長い
・他のサイトから沢山リンクが貼られている参考:ECの売り上げを伸ばすWeb広告以外の集客ルートの基本|impress
継続的にコストがかかる広告とは異なり、お金をかけずに安定的な流入を見込める上位表示が狙えるので、集客に対する根本的な問題解決ができるでしょう。ただし、SEOの効果が出るまで半年~1年かかると言われているため、「継続」が重要になります。
コンテンツマーケティングの成功事例
北欧、くらしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」ではスタッフが「丁寧な暮らし」を発信する中で、雑貨や食器など暮らしに関する自社のアイテムを紹介しています。ECサイトをメディア化することで、ユーザーに「押し売り」という印象を与えることなく、自社商品の魅力を顧客にアピールできています。
くらしの良品研究所
くらしの良品研究所は、無印良品を運営する良品企画が運営するサイトです。顧客とコミュニケーションの場として活用しており、無印良品でほしいと思う商品のリクエストを送ることができます。また、出来上がった商品はレポートとして紹介され、ネットストアに遷移できるようになっており、メディアからECサイトに誘導する導線が用意されています。
2. SNSを活用した情報発信
SNSを利用すると顧客との接点が増えるため、情報発信を続けていくことで集客力も上がっていきます。SNSは無料でアカウントを作ることができるため、低コストでの集客が可能です。また、先ほどご紹介した「SEO対策」に比べてコンテンツの作成が簡単なため、気軽に情報発信を行うことができます。
ここでは、各SNSの特徴と成功事例をご紹介します。アプローチしたいユーザー層が多いSNSを見極め、効果的な施策を行っていきましょう。
各SNSの特徴
LINE
LINEは、国内最多のユーザー数を誇り、幅広いユーザー層にアプローチ可能なSNSです。企業であれば、「公式アカウント」を開設することで、ユーザーに対して直接メッセージを送ることができます。個人的なやり取りに使うイメージが強いSNSなので、すべての顧客を対象としたメッセージではなく、ユーザー個人に対してのメッセージが好まれます。
メッセージの開封率が高いとされているため、クーポンの配布やキャンペーンの告知に使われることが多いです。ちなみに、LINE公式アカウントの開設自体は無料ですが、運用するとなると別途費用(基本料金・追加メッセージ料金)がかかります。
Instagramは、20代の女性や若年層のユーザーが中心のSNSです。写真や動画の投稿が多いSNSのため、視覚的イメージとテキストを用いてブランディングや商品イメージの形成を行うことができます。ファッションやコスメ、フード関係の投稿が多いのが特徴です。企業アカウントも数多く存在し、Instagramから直接ECサイトに遷移させることもできるため、商品カタログのように使っているケースもあります。
今はブラウザ以外にInstagramで気になるショップやアイテムを検索するユーザーも増えているため、ハッシュタグ(#)を投稿に用いることで、自社アカウントのフォロワー以外のユーザーにもアプローチができます。
Twitterは、10~30代のユーザーが多い、テキストがメインのSNSです。140字という制限があるため長文を発信することはできませんが、その分リアルタイムの情報発信に向いています。
リツイートや引用リツイートという機能があることで拡散力が高く、さらに広がるスピードも早いため、フォロワー以外のユーザーにも情報を届けやすいというメリットがあります。ユーザーからの反応が集まりやすく、双方向のコミュニケーションが取りやすいため、キャンペーンの告知やクーポンの配布、アンケートなどによく使われています。
その一方で、インパクトのある投稿は炎上をまねく恐れがあるので、発信する内容は適切かどうかチェックしてから投稿するように心がけましょう。
Facebookは、30~40代のユーザーが中心のSNSです。ユーザーは基本的に本名での登録になるため、他のSNSに比べて信ぴょう性が高く、ビジネス向けのツールとして知られています。投稿は、写真と動画を用いながらテキスト中心にされることが多く、長文の投稿も多くみられます。そのため、ブランドや商品の情報を詳しく説明し、ユーザに深く理解してもらいたい場合に適しています。
「いいね」をするとシェアはされますが、Twitterに比べると拡散力はそこまでありません。新規獲得を目的にするよりも、既存顧客へのサポートに向いているSNSです。
TikTok
TikTokは、10~20代のユーザーが中心のショートムービー(15秒~1分間)に特化したSNSです。投稿するネタ(音楽)はすでに用意されているので、一から企画を考える必要がなく、編集も簡単なため投稿のハードルが低いことが特徴として挙げられます。また、「レコメンド」でおすすめの動画がスワイプする度に表示されるので、レコメンドにピックアップされるようなコンテンツを作成できれば、多くの人にECサイトを知ってもらうきっかけが作れます。
SNSを活用した集客の事例
ユニクロ(Twitter)
ファストファッションブランド、ユニクロはTwitterを使って最新ファッションアイテムの情報を積極的に発信し、ECサイトに促しています。タイムラインに画像が流れてくると目に留まりやすいという性質を上手く活用し、ECサイトに誘導しています。
https://twitter.com/UNIQLO_JP/status/1376089175947087873
また、ユニクロは自社の折り込みチラシの配信も行っています。140文字の文字制限があるTwitterで「チラシ」を使うことにより、1度に多くの情報を届けることが可能になります。もちろん、そのまま購入できるようにツイートに自社ECサイトのリンクが貼られています。
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ニトリ(Instagram)
インテリア小売業のニトリは、Instagramの運用に注力しており、2021年4月の(執筆時点)フォロワーは123万人と人気のあるアカウントです。Instagramと相性の良い「ショッピング機能」をフル活用し、自社ECサイトに促しています。
プロフィールには「ショップを見る」ボタンが設置されており、クリックするとカタログのように商品を見ることができます。
出典:ニトリ公式|Instagram
また、普通の投稿(フィード)では自社商品を使ったインテリアコーディネートを紹介しており、画像をクリックすると価格と商品名が表示され、ニトリのECサイトに飛べるようになっています。
Instagramでは投稿にリンクを貼り付けることができないため、ショッピング機能を活用してユーザーをECサイトに誘導する手法は必須です。
3.インターネット広告
インターネット広告の種類は、下記の5つに分けることができます。
- リスティング広告
- アフィリエイト広告
- リマーケティング広告
- SNS広告
- 動画広告
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索したとき、検索結果ページの上部または下部に表示される広告のことです。検索結果と連動して関連性のある広告を表示するため、多くの流入が期待できます。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、第三者(アフィリエイター)に自社の商品を宣伝してもらう広告のことです。コンバージョンされた時点で広告費が発生する仕組みです。「条件交渉を行わなくて済むこと」、「成果報酬型のため費用対効果が高いこと」が利点ですが、掲載が保証されているわけではないという側面を持っています。
リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、過去に自社を訪問したことのあるユーザーにアプローチをかけ、購買を促す広告のことです。1度訪れたことがあるということは、自社に対して興味・関心を持っているユーザーが多いため、再度アプローチをすることで購入まで繋がる可能性が高まります。
SNS広告
SNS広告とは、SNSをプラットフォームとして出稿する広告のことです。ターゲットの属性分けやターゲティングを細かく設定できるという特徴があります。
また、SNSの性質上、多くのユーザーにリーチできるため、顕在層だけでなく潜在層の獲得も期待できるでしょう。
動画広告
動画広告とは、YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトで、動画を再生しようとした際に流れる広告のことです。一定時間強制的にさせるタイプと、途中でスキップできるタイプの2種類があります。最近ではテレビよりも動画サイトを見るユーザーが増えていることに加えて、テレビCMよりもコストを抑えて配信できるので、高い効果が得られるとされています。
既存顧客向けの集客方法3選
1. メールマーケティング
メールマーケティングとは、メール配信によって顧客とコミュニケーションを図ることを指します。メールマーケティングでは、段階ごとにメールを送信してユーザー心理を教育し、最終的に配信元の企業の目的に沿った行動を取るように促します。
当然のことながら、メールマーケティングを行うためには「メールアドレス」が必要になります。顧客のメールアドレスを手に入れるためには、新規会員登録などのページで個人情報の入力を促す項目を設置しておく必要があります。また、一人ひとりに合った内容のメールを適切なタイミングで送る必要があるため、「開封率」や「記載したURLをクリックしたかどうか」などのユーザー行動を分析する必要があるでしょう。
送信を自動化するツールは有料であることが多く、無料で実施する場合は手間がかかりすぎることがこの施策の難点です。さらに、顧客向けの施策のため即効性はありますが、「費用対効果を考えると元が取れない」ということも考えられます。そのため、ある程度高額な商材か、年数回のリピート購入ができる商材に向いている集客方法です。
2. プッシュ通知
プッシュ通知とは、クーポンの配信や新着情報をスマートフォンのロック画面に表示する機能のことです。プッシュ通知からワンタップでアプリを起動できるため、ユーザーのアクションを誘発しやすいという特徴があります。アプリの登録情報を利用し、配信先を分けたり、時間を指定したりして配信するなど細かなマーケティングも可能です。
3. 直接流入へ誘導
直接流入とは、最初から特定のサイトに訪れようとして流入してくることを指します。例えば、直接サイトURLを入力したり、過去の閲覧履歴・ブックマークから流入してくることが直接流入になります。
つまり「直接流入へ誘導する」というのは、ネットで情報を探していて、たまたま訪れるのではなく、「ユーザーが目的を持って訪問するように促す」ということです。
直接流入へ誘導するための施策には以下のようなものがあります。
- 展示会
- ワークショップ
- セールの実施
- お試し価格による販売
- 定期購入
ECサイトの集客は自分のビジネスに合わせた最適な施策を選びましょう
この記事では、ECサイトの集客について解説してきました。ECサイトで売上をアップさせるために「集客」は欠かせません。新規顧客獲得向けと既存顧客向けの集客方法を合わせて6選ご紹介しましたが、「効果的な集客方法」は企業規模(個人事業主・大手企業)や業種・商品によって変わってきます。以下に「こんな方にはこんな集客方法がおすすめ」という内容をまとめました。
主婦の方や副業としてECを運営する場合
主婦の方や副業としてECサイトを運営する場合は、「コンテンツマーケティング・展示会・SNS」がおすすめです。なぜなら、小規模ビジネスでリスティング広告などを打つと、商品単価によっては赤字になってしまうからです。
広告予算に余裕がある企業の場合
集客にお金をかけられる大手企業であれば「テレビCM」や「リスティング広告」がおすすめです。顧客が目にする機会を増やし、長期的に目に触れさせることで、自然と顧客の頭に残り、ブランド・商品の印象がつくので広告流入だけでなく、直接流入に促すことができるでしょう。
健康食品など特殊な商品を販売する場合
健康食品など特殊な商品を販売する場合は、「アフィリエイト」を使って宣伝するのがおすすめです。第三者が宣伝することで、企業が商品をPRするよりも関心と好感が持たれやすいためです。特にwebでの購入ハードルが高い商品ほどおすすめです。
上記のように、企業規模や販売する商品によって最適な集客方法は異なります。本記事で紹介した内容をもとに自社に合った方法を見極め、自社ECサイトの集客に応用してみてください。